【インタビュー】親の会「NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボ」に立ち上げの経緯を聞いてみました

親の会インタビュー企画!
今回はオンライン(Zoom等)で親の会を開催している「NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボ」について、立ち上げから今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

立ち上げメンバーの一人のみんです。
法人では、事務局の一人として、対外交渉やファシリテート、それと、配送などを担当しています。
そして、臨床心理士/公認心理師の資格をとって、法人の相談役や傾聴の講師の役割も担っています。

我が家の娘は幼稚園行き渋り、小学校行き渋り、中学で本格的に不登校勃発。希望が叶って入学した第1志望の高校でも不登校。その後 高卒認定⇒通信制大学⇒大学院と進学し、今は社会人で結婚もしています。

息子は起立性調節障害を発症し、中学時代は午後から登校、そして、毎日ゲーセン通いの深夜帰宅と、クレイジーで荒れた毎日を送っていました。これは全日無理かなぁ…と通信に進学。大学⇒大学院⇒社会人という進路をたどっています。

夫はずっと単身赴任で、本当に山あり谷あり、今思えばよくぞ3人とも無事に生き延びたなぁ…と思うぐらいの、スリリング且つデンジャラスな7~8年でした。

私もたくさんの不登校ママとお付き合いがありますが、私ほど往生際の悪いママさんには会った事がなくw、その事での後悔や仕入れた知識がお役に立つならと、今は応援する側に回っています。

NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボはどのような親の会ですか

とにかくみんな明るいです。そして超優しいです。始めは、ドヨーンとした気持ちでお子さんの不登校を何とかしたいと参加されるのですが、先輩ママたちの応援があって、ドンドンと前向きになってこられます。

他の親の会と大きく違うところの一つは、「不登校に関する学習を中心にしたママの会」だという事だと考えています。
子どもの不登校で親が楽になる方法の一つとして、親が不登校というものを知ることだと考えていて、先輩から新しい方へ、惜しみなく情報や知識が引き継がれていったり、子どもとの関係性を良くして、子どもの心を強くする方法として傾聴を学んだりしています。
知る事で不登校を受け入れていく事にもつながるので、家の中の空気が少しずつ「安心安全」の空気感に変化していきます。

もちろん勉強会の前後の時間やお茶会などでは、わちゃわちゃと、楽しい会話もして楽しんでいます。先輩ママたちは傾聴を勉強していらっしゃる方ばかりなので、そんな場でも否定されることなく、きちんと話を聞いてもらえる穏やかな会でもあります。

それから、「ママだけの会」という事も、違いの一つです。男性や子どもがいたりすると、愚痴が言い辛くなりますよね。存分に愚痴を吐いてスッキリして帰ってほしい気持ちがあって、傾聴勉強会や掲示板は、ママさんだけの参加に限らせていただいています。

お世話役さんが持ち回りという事も、違いかなぁ…と考えています。
古い人がずっと運営していると、「ママの会」が「ババの会」になっちゃうじゃないですか。なので、フレッシュな運営をしたくて、どんどんと、新しい人に引き継いでいっています。
皆さん、恩送りだと仰ってくださっていて、積極的に手伝ってくださる方が多いんです。
会の運営もイベントもみんなで楽しく取り組んでいます。

ご自身で親の会を立ち上げようと思ったきっかけを教えてください

私自身、子どもが不登校になった時に情報が欲しくて何箇所か親の会に参加したのですが、子どもの愚痴だけを言う会だったり、ママたちがずっと泣いている会だったりしたんです。

それで、違和感を感じて、1回きりで参加しなくなっちゃって、そんな時出会ったママたち4人で、当時大流行りだったSNSであるmixiに不登校ママだけのおしゃべりの場を作ったんです。

クローズドのSNSなので、毎日愚痴も言いあえますし、前向きなママさんばかりだったので、勉強会を開いたりして、すごく楽しくって。そうこうしているうちに、だんだんと仲間が増えて、勉強会が大阪だけではなく、東京や名古屋でもONLINEでも、開催されるようになってきました。なので、親の会を立ち上げたというよりは、自然発生的にできたコミュニティという感じです。

実際に立ち上げてみてどんなことを感じましたか?

とにかく楽しかったです。
確かに子どもの不登校は辛い経験だったのですが、この場があったから、私は生きてこれたし、子ども達も今は社会人になっているんだと考えています。仲間には感謝しかないです。

mixiで、ドンドン仲間が増えていったのは、みんな、そういう場を求めていたからだと思うんですね。

子どものために何かをしたい、頑張りたいお母さんが多かったからこそ仲間が増えていった。現に、当時の仲間のお子さんは、みんな、しっかり社会人をしているんです。

お母さんの力って本当にすごいし、お母さんって本当に素敵だなぁ…と感じています。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

ここ最近、コロナが出てから不登校は急速に増えているのですが、それと共に、何とかなると考えているお母さんも増えてきているのかなぁ…と感じています。

確かに何とかなる子もいるのですが、中には重症化するお子さんもいて、相談に来られる時には拗らせてしまっているケースが増えているんです。

また、ママたちの質も変わってきています。バブル後に青春時代を送ったママさんは、受け身な人が多いような気がしています。私が何とかする!って言う気概がないというか…。

確かに、私のように気概がありすぎるのも子どもにとっては迷惑なわけですが(笑)、対応は早ければ早いほど、子どもの心の傷は軽症で済むので、できればもう少し自分に自信をもって、ママにできる事あるよ…ということを知ってもらえると嬉しいなと考えています。

これからどのような会にしていきたいですか?

事実をきちんと発信していく会にしたいです。
私も母親です。大切な子どもの事でできれば失敗もしたくないし、正しい情報が欲しいと思います。
で、子どもが不登校になった時は藁にもすがりたいような気持になる方も多いでしょう。
そんな、ギリギリで頑張ってらっしゃるママたちに、自分の経験だけで、あたかもみんながよくなるという風な無責任なことは伝えないようにしたいと考えています。
きちんと調査や研究に基づいた、安心安全な発信を心がけています。

明るい不登校なんか、ほぼないです。それは親が明るくしていたいだけでしょう。
子ども達は、傷ついて苦しんでいる子がほとんどです。

事実から目を背けて、何とかなるって考えていても子どもは元気になりません。
事実を認められない時期もあると思います。でも、ずっとぬるま湯に浸っていても何も変わらないし、逆に親も疲弊してくるんです。人は悶々と考えているより、希望を見つけて何かに取り組んでいる方が楽なんです。

できれば、子ども達には将来、少しでも元気に楽に生きていって欲しい。だって悔しいじゃないですか。一度しんどくなって、それが治りきらない事が原因で、二度三度と同じように大きな挫折を繰り返して弱っていくのって。

なので、当法人では、きちんと事実を発信して、前向きに子どもの事や家庭の事に取り組んでいくお母さんが増えるといいな…と考えています。そして、子どものために、清水の舞台から飛び降りるつもりで、「エイヤ」と一つひとつママたちがハードルを乗り越えていく事を、みんなで支えて応援できる会にしていきたいです。

そのために、研究や調査も続けていきたいです。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

子ども達の未来を「大丈夫」にしたいママさんだったら、誰でも大歓迎です。
みんなで手を携えて、「大丈夫」を作っていきましょう。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆親の会「NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボ」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/parent-meeting/45300
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