【インタビュー】親の会「宇宙船(不登校から学ぶ会)」に立ち上げの経緯を聞いてみました

親の会インタビュー企画!
今回は神奈川県で親の会を開催している「宇宙船(不登校から学ぶ会)」について、立ち上げから今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

はじめまして、宇宙船、3代目船長のれいこです。

成人した娘と息子がいて、二人とも不登校経験があります。

娘は小学校1年生から不登校でしたが、大人になってからその時の体験や、心の中のことを教えてもらうことが出来ました。

苦しかったこともたくさんあったと思いますが、それは本当にミラクルで、人の心には想像を超える広がりがあるのだと感じました。

心の世界に魅了された私は、心理の勉強をして、今は公認心理士の仕事もしています。

ですが、宇宙船には心理士としてではなく、子どもが不登校を経験した一人の親として参加しています。皆さんと色々な思いを分かち合えたらと思っています。

宇宙船(不登校から学ぶ会)はどのような親の会ですか

宇宙船は、不登校・ひきこもりに関心のある方ならだれでも参加できます。

「親以外の参加があると、話しにくいのではないか?」と言う意見もあり、その都度スタッフで話し合って今の形になりました。

親の会も色々な特色がありますが、宇宙船はいろいろな立場の方が参加されることで、多くのものが得られ、良かったと思っています。

スタッフには自身が不登校を経験した、若い方もいます。

お母さんと不登校当事者のお子さんが一緒に参加されることもあります。「何で、こうなんだろうと」親が思う疑問に当事者が自分の気持ちを、話してくれることもあり、どんな説明より心に響くこともあります。

また、当事者の方にとっても「自分の苦しい経験やダメだと思っていたこと」を大切な気持ちとして聞いてくれる人がいることは励ましになるようです。

そうは言っても基本的には母親の参加が多い例会です。

皆さんが安心して過ごすことができ、帰るときには少しでも心が軽くなったらいいなと、思っています。

ご自身で親の会を立ち上げようと思ったきっかけを教えてください

自己紹介にも書きましたが、私は3代目の船長なので、立ち上げ当時のことを知りません。

宇宙船は不登校の子どもを持つ親の会として1990年に発足しました。そしてその前身には「金の星」(登校拒否児を見守る父母の会)の活動が1982年からありました。宇宙船としては30余年、金の星から数えると40年以上経っています。

金の星は、当時の横浜市立の中学校の教諭と、相談指導学級父母会が中心になって発足しました。このような「登校拒否児を見守る父母の会」も学級も、全国初めてだったので、かなり遠方から常時90名以上の参加があったそうです。

私は当時、子どもがいないのはもちろん、結婚もしていませんから、登校拒否や不登校と言う言葉さえ知らなかったと思います。

不登校が本当に問題行動とされなければ、子どもも親も苦しむこともなく、親の会がこれほど長く続くこともなかったのにと思います。

私自身は、娘が不登校になった当初は親の会に行く余裕はありませんでした。

夫が病気になり、まだ下の子どもも幼く専業主婦だった私が、不登校の娘を家に残しフルタイムで働くことになり、あたふたしていました。

やっと落ち着き、親の会に行ってみようと思い、宇宙船を訪ねたのは、娘が学校に行かなくなってから9年目でした。

実際に立ち上げてみてどんなことを感じましたか?

長く続いている会なので、特別のように思われることもありますが、全然そんなことはありません。

多くの方が参加されてきて、もちろん1回だけの参加でも構わないのですが、

継続して参加されている方は、月日の中で、おこがましい言い方ですが成長されて行く姿を見せてくださいます。

ここで言う成長とは、苦しさを幸せに変えていく力でしょうか。人生から悲しみや、辛さをすべてなくすことなど出来ないけれど、そういうものを内包しながらも、自分の道を歩いていると感じられることでしょうか。

人は同じところに留まることは出来ずに、変化していきます。

それをご自分の力で、望む方向に進まれるのは本当に尊敬します。

そんな力を見せてもらえるので、ここにいてしまうのかなと思っています。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

それまで、続けて参加していたお母さんが、当時中学を卒業後 家にいたお子さんと、一緒に参加してくださったことがあります。

お子さんが「例会に参加するようになって、お母さんが変わった。宇宙船ってどんなところか自分で見てみたい」と言って来てくれました。

最初、お母さんは「学校」のことを考えていたそうです。

それが、例会に参加するうちに、目の前の子どものことを思うようになり、自然と子どもに対する態度や言葉にも変化があったのではないでしょうか。

その子は、高校には行かず、高校認定試験を受け、その後大学受験をして、学びたかった第一希望の大学・学部に合格しました。

この子が自分の興味がある分野について話をしてくれる時、シャイな表情の中にキラキラした瞳が輝いていて、話を聞く私もとても幸せな気持ちになりました。

これからどのような会にしていきたいですか?

本当は学校に行かないことが何の問題もない事となって「もう宇宙船もいらないね」ってなるのが一番の理想です。

でも、当分そうなりそうもないので、

来て下さった方や、その背後でお家にいる子どもたちが「自分は何も悪いことはしていないよね」「やりたいことは何でもできるし、なんでもやっていいよね」って思えるような、お手伝いが出来ればと思います。

それは、何か特別なことではなく、例会で、お一人お一人が語ってくださる言葉とお気持を大切にして、暖かい会を続けていきたいです。

横浜市内の親の会と連携して、新しい情報を交換したり 行政などに働きかける活動も続けたいと思っています。

参加された方に正しく お役に立つ情報もお届けできればと思います。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

子どもが不登校になって、こんなに苦しいのは、やっぱり子どものことを思っているからだと感じます。

こんなに子どものことを心配する親がついているのだから、あなたの子どもは大丈夫!

でも、いつになったら終わるのかわからないし、

どうすればいいかわからないし、苦しいよね。

お話しするのも勇気のいることです、話したくないときは、何も話さなくてもOKです。

話したからと言ってすぐに何かが変わる訳ではないかもしれないけど、小さな一歩は未来につながっています。

良かったら、宇宙船でなくてもいいし、どこかにつながってみてください。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆親の会「宇宙船(不登校から学ぶ会)」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/parent-meeting/7019
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