仕事を始めたきっかけは娘の不登校。まだまだ葛藤しているんです。【不登校生の保護者インタビュー第8弾】

不登校の子を持つ保護者の方に、我が子との向き合い方を伺う「不登校生の保護者インタビュー」第8弾。今回は、ご自身のファッションや家族のことを綴ったブログ「千葉ママ・元アパレル10年・愛されキャラスタイリスト」を運営している「にしかわまい」さんにお話を伺いました。

ライフ&ファッションスタイリストとしての活動を始めたきっかけは、長女の不登校

――本日はよろしくお願いします。
  まずは簡単な自己紹介お願いします。

にしかわまいです。
旦那さんと、小学校4年生の娘と小学校2年生の息子の4人家族です。

――お仕事はされていますか?

スタイリスト山本あきこさん主催の『life&fashionLABO』という協会のライフ&ファッションスタイリストとして活動させて頂いています。

ブログでサービスをご紹介したり、イベントの告知をして来ていただいた女性の魅力をさらに引き出せるような、お悩みに寄り添ったスタイリングをご提案させていただいています。

外見も内面も輝く女性の笑顔をもっと増やしていきたいと活動しています。

――仕事をしようと思ったには、何かきっかけがあったんですか?

娘の不登校がきっかけでした。

娘が学校に行かなくなったときに出会ったメンタルコーチの佐伯和也さんにいろいろアドバイスをいただき、「自分の好きなこともやったらいいよ」と言って頂き今まで子供のことしか考えていなかったことに気付きました。

そんな時出会った本がスタイリスト山本あきこさんの書籍でした。

もともとファッションが好きだったので山本あきこさんのプログラムを受けどんどん自分に意識が向いて私も伝える側になりたいと挑戦してきました。

そして今ライフ&ファッションスタイリストとして活動させていただいています。

――娘さんの現在の状況を教えてください。

今は毎日学校へ行っていますが1年生の時は、行ったり行かなかったりを繰り返していました。

嫌なこともあるそうですが、自分なりに消化して学校生活を楽しんでいるように見えます。

――いつから学校が嫌になったんでしょうか?

入学して5日目あたりだったと思います。

幼稚園に行っていた時も「行きたくない」ということはありましたが、幼稚園の頃のママと離れたくないという感じではないなと思いました。

幼稚園の行事で小学校を見学した時に小学校はお姉ちゃん達と遊んだりして楽しい所だよっていうのを見ていたので、入学もとても楽しみにしていました。

入学式も緊張していましたが、嬉しそうな笑顔も見せていました。

――通っているうちにだんだん嫌になっていたのでしょうか?

娘の連絡ノートを持ってきたのでそれを見ながらお話させてください (笑)
4月15日にはもう「体調不良のためお休みします」って書いているんです。

入学してから一週間経たないうちに行きたくないと言ってきました。

あんなに楽しみにしていた小学校、泣きながら行きたくないという娘を見てとてもショックを受けた記憶があります。

――行きたくないっていうのはどのタイミングで言うんでしょうか?

朝起こした時です。

布団の中で「行きたくない」という感じでした。

私は「行かせないといけない」と思っていたので、無理に行かせては休んでを繰り返していました。

――お母さんはどんな気持ちでしたか?

「なぜ行きたくないのだろう?」と思って娘に質問攻めでした。

「何が嫌なの?」とか「誰かと喧嘩したの?」とか「先生が怖いの?」とか、質問していたんですけど、娘は「給食の牛乳が嫌だ」とか言うんです。

大した理由じゃないので、本当の理由じゃないなって思いました。

娘の様子を見ていても「理由聞かれたから、言っとこう」みたいな感じでした。

娘が「牛乳が嫌だ」って言った時には、「連絡帳に書くから、先生は全部飲めとか言わないよ。行ってみたら?」と励ましていました。

入学前はあんなに楽しみにしていたのに、なんでこんなに行きたくないんだろう?と思って、ショックと同時に学校に不信感を持ったり、先生が怖いんじゃないかとか思ったりしました。

理由がわかれば、解決できるって思っていたので、行きたくない理由をずっと探していました。

娘はよく「行きたいけど行きたくない」と言って泣いていました。

これがとても辛かったです。
行かせてあげたいなって思うんですけど、行けないんです。

なんとか学校に行かせたくて、行かせてあげたくて、無理にいかせようとするのですが、そうするとぶあっと泣いていました。

ゴールデンウィーク明けに、1回娘を車で無理やり連れて行ったことがありました。

学校に着いたら、私だけ先生のところに行って「下にいるんですけど」って言ったら、先生が娘のところまで来てくれました。

でも、泣いている娘に「今日学校行かなかったら、もう学校来れないよ」と言われていて。

私は「そうじゃないな。」と思いながらも、先生には言えなくて、その日は無理やり連れて行かれました。

あとで、かわいそうだったなって、そこまでしていく必要あったのかなと無理やり行かせたことを後悔しました。

学校に行くかは、子どもに決めさせる。
そのかわり私も好きなことをやろう。

――お母さんは娘さんの不登校にどのように対応したんですか?

6月に不登校のコーチングを私が受けたんです。

佐伯和也さんが、不登校の子を持つ親に向けて、配信しているメルマガを読んでいたんですけど、「学校に行くのが当たり前じゃない」っておっしゃっていて、それに救われたんです。

私は、当たり前だと思っていたけど、そうじゃなかった!と思いました。

他にも不登校の子を持つ皆さんのブログを見て、無理矢理行かせるのは良くないなって思ったんです。

娘に「行くかどうか、自分で決めていいよ。その代わりママも好きなことをする」と伝えました。

先ほどのお話に繋がります。佐伯さんのコーチングの時に「お母さんも自分の好きなことをやってみたら」って言われて娘のことばかり考えないで自分に目を向けるようにしました。

休むとつまんないので「遊んで」って言ってくるんですけど、「お母さんは用があるから遊べないよ」って言ったりしていました。

前は、学校を休んで遊びに行くって悪いことのように感じていたんですけど、遊びに行ったりもしました。

それまでは、周りや世間体を気にしていたのですがもういいやと思って(笑)いろいろ出かけました。

――「行かなくてもいいよ」と言った時、娘さんはどんな様子でしたか?

あまり覚えていないのですが、娘が徐々に学校へ行くようになりました。

10月に運動会がありましたが、休んでいて練習もできていなかったので「もう出なくてもいいや」と思ってましたが

放課後に衣装を作ったりして運動会に出ることができました。

娘に行かなくていいって伝えたのをきっかけに、私自身も「いかせなきゃいけない」っていうプレッシャーがなくなったのが良かったのかもしれません。

――先生はどんな対応だったんですか?

1年生の時の先生は、学校に連れてきて欲しいというタイプだったので

「娘には行ってもいかなくても、どっちでもいいって言っています」っていうことは言えなくて、なんとなく先生に合わせる感じでした。

先生のお気持ちもわかるし、一生懸命になってくださっていたのでなかなか本音を言えませんでした。

2年生で先生が変わり、今まで普通に通っています。

娘は、今は楽しいこともあるから行くって言っていますね。

――1年生の時と今を比べて様子に変化はありますか?

元気になりましたね。

あの時は気付きませんでしたが、こんなに元気だったんだと思いました。

学校に行かないことは悪いっていう意識があったんだと思います。

「行った方が、ママが嬉しそう」みたいな。

そういうのが伝わっていたのかもしれません。

大丈夫、だと思いながらも葛藤する

――小学2年生の息子さんはいかがですか?

息子は今、学校に行ってないんです。
娘は、そんな息子を見て、「なんで行きたくないか、わかんないんだよね」とか、「一回行かないと、どんどん行けなくなるよね」みたいなことを話していました。

息子は幼稚園の時からあんまり行かなくて、みんなとやる運動会とか全体で何かをするのが嫌いだったんです。

運動会で一人踊らない子、そんな子でした。

初めての場所も苦手なタイプですが、でも小学校は楽しみにしていて、入学してから楽しそうな様子もあったのですが1年生の時から休みがちでした。

――先生はどんな感じですか?

息子に学校に来て欲しいし、休ませると癖になるからということで、息子の好きなポケモンのシールを学校に来たら貼ってもらえる。

シールが溜まったらちょっと大きいポケモンのシールがもらえると息子の好きなことで学校に来てもらおうと一生懸命になってくださり、休むとすごく心配してくれました。

私も行かせたいっていう気持ちがなくはないので、まだ葛藤したりしています。

先生に「もうちょっと背中を押してあげてください」って言われることもありますが、娘の時と違って私の想いを先生に伝えることができました。

先生も私の想いを受け入れてくれました。でも先生は学校の方なので来なくていいとは言えませんし、学校にしかできない経験もあるし、今すぐに学校を辞めるとか辞めないとか決めなくていいと話してくれました。

今までと違い、私の想いを考慮して私達親子に接してくだっさたことに救われました。

話し辛かったですが、思いを伝えて良かったですし、先生がこんなに頑張っているのに学校に連れて行けない罪悪感みたいなものもあったので、とても楽になりました。

――ご主人は不登校に対してどう考えているんですか?

結構厳しい旦那さんで、息子は旦那のことを怖がっているんです 。

「パパがいると、行かなきゃいけないなー」みたいな感じで行くんですよね。

でも泣いて抵抗する日もあります。

私は子どもにも考えていることがあるんだろうなと思うし、泣くほど行きたくないなら行かなくていいよって思うんですが旦那さんは行って欲しそうです。

「行かせないといけない」っていう旦那さんと、「そこまでしていかなくてもいいよ」っていう私で、

意見は別れていましたが、話合って無理やり行かせるのはやめようと決めました。

私もそうでしたが、行きたくないから学校を休むっていうのがなかなか受け入れられないみたいです。

――娘さんの時とご主人に変化はありますか?

娘の時は私自身が行かせないとって思っていたっていうのもあって、あんまり関わってなかったですね。

娘は一週間連続で休むということはほとんどなかったので、そこまで心配してなかったのかもしれないです。

息子の方は今がっつり休んじゃっていて、「男だし、甘えんな!」見たいなのがあるのかもしれないです。

今は息子の想いや私の想いを受け入れる努力をしてくれています。

朝は、学校行きたくないで話したり、学校に連絡などバタバタするので、遅めに出勤してくれたり、息子の気持ちも理解しようとしてくれています。

――息子さんが今は心配という感じですか?

息子は大丈夫と思いつつも、不安になったり、悩んだりします。

学校に行かなくてもいいとまだ吹っ切れてないところもあります。

私も学校で楽しかった思い出やいろんな経験をしているので学校もいいところもあるんだよと思ってしまうところもまだあります。

――学校に戻ってほしいという気持ちはありますか?

楽しいんだったら戻ってほしい。

でもそうじゃないんだったら違う道を、フリースクールとかもあるよっていうのにも触れていきたいと思っているんです。

私自身が知らない世界なので。今回もRizさんのインタビューも受けてみようと思いました。

「もっと自分を大切に」我が子の不登校に悩む保護者の方へメッセージ

――最後に不登校の子供を持つ保護者の方に何かメッセージをもらえますか?

どうしてうちの子だけ学校にいかないいんだろう。と悩んでしまう方もいらっしゃると思います。

学校に行くのが当たり前じゃないと言われても不安でいっぱいだと思います。

子供と向き合っていくのはとても大切だと思いますが、まずは保護者の方の気持ちが少しでも楽になる場所や楽になれることを見つけて欲しいと思います。

私は疲れたら一人になりたいから時間を作って欲しいと旦那さんに相談したりして気持ちに余裕ができるようにしています。

そうすることで、子供のことでいっぱいいっぱいになっていた気持ちが少し楽になり客観的に見れたりしました

娘が不登校になった事によって自分と向き合い、自分の好きなことやりたいことを見つけることができました。

そんな私の姿を見ていたからか娘も動き始めました。

娘の不登校からどうしてスタイリストを目指したのか、またファッションが内面にアプローチする力や、ファッションを通して子供だけでなくもっと自分のことも大切にして欲しい、いつも頑張っている不登校のお子さんを持つお母さんに何かお伝えすることができるのではとブログでも子育てや不登校のことを綴っています。

みなさまの何かヒントになれたら嬉しいです。

子供のことでいっぱいいっぱいになるので自分の事は忘れがちですが、イヤリングをつけてみたり、リップの色をかえてみたり、ちょっとしたことですが自分のことも大切にしてみてくださいね。

――あたたかいメッセージありがとうございます。
  本日は貴重なお話しを聴かせていただき、ありがとございました。

◆にしかわまい
小学生2人のママ。千葉在住。アパレル歴10年。バスケ大好き。
ファッションや家族のことを綴ったブログ「千葉ママ・元アパレル10年・愛されキャラスタイリスト」を運営している。娘の不登校をきっかけに、個人の方に向けたスタイリングを提案する、パーソナルスタイリストとして活動している。

編集後記

夏の暑い日に、インタビューのためにRizにお越しくださったにしかわさんですが、ピアスや、手元のアクセサリーが素敵で、とってもおしゃれなお母さんでした。
お話を伺って、保護者の方は、自分の時間なんてない!と感じてしまうことも多いと思いますが、

自分に目を向けて、現実から少し距離を置く時間を作ることで、いつもより少し余裕をもって現実と向き合えるのかもしれないなと感じました。

にしかわさんのブログには、お子さんのお話に加え、ファッションの情報も多く掲載されています。

イベントの告知もありますので、是非ご覧ください。

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