小学生のお子さんから突然「学校に行きたくない」と言われたり、登校渋りが始まったりしたら、戸惑ってしまいますよね。
まだ小学生。小学校に行き始めてまだすぐなのに……と困惑する方もいらっしゃるかと思います。
しかし現在、不登校の児童生徒数は年々増加傾向にあり、小学生も例外ではありません。今回は、小学生の不登校について、心理やご家庭での過ごし方をまとめました。
学校に行かない小学生の心理
「学校に行きたくない」と考える小学生、学校に行かないことを選択する小学生はどんな心理なのでしょうか。
家以外の場所に行く不安
幼稚園・保育園などと比べて、小学校からは学校で過ごす時間がぐんと長くなります。これまでは常に家族が傍にいてくれたのが、急にひとりで過ごさなくてはならなくなるのです。
それ以外にも、テストが始まったり、授業時間が伸びたり、給食制になったり、子どもたちにとっては大きな変化ばかり。それに馴染めず、不安が募って学校へ行くのがしんどくなるケースもあります。
勉強のストレス・プレッシャー
小学校に上がると、テストが始まります。すぐに厳しい評価がされるわけではなくとも、周りと比べられるようになるし、自分の苦手な分野にもチャレンジしなくてはいけなくなります。
そういった勉強のストレスやプレッシャーも、お子さんにとっては相当なフラストレーションとなるのです。
人間関係の複雑化
小学生の人間関係は、大人が思っている以上に複雑です。発達の早い子だと、2年生くらいの時はもうクラスの中に階級ができたりします。それに、ひとつの学校に居る人数がぐんと増えますよね。
この人間関係の複雑化についていけないと、段々とクラスの中での居場所を見つけにくくなってしまうのです。
家での過ごし方
まずはゆっくり休もう
不登校になるお子さんのほとんどは、学校に行きたくない気持ちをずっと抑え込んだまま、耐えて耐えて、それでも我慢ならなくなって学校に行かなく/行けなくなります。
だから、不登校・登校渋りが始まってまず必要になるのは、十分な休息と安心。将来のことについて考えたり、勉強に取り組んだりすることももちろん大切なのですが、一番にお子さんの心身の健康を考えてあげてください。
ゲームや漫画に没頭したり、昼夜逆転生活になったりする子もいますが、不安に思う必要はありません。お子さんの気持ちが落ち着くに連れて、段々と生活も落ち着きを取り戻してくるはずです。
友達と遊ぶのは止めなくていい
もしお子さんが、学校に行く頻度が減りつつも学校の友達と遊んだり会ったりしているのなら、それは止めないでください。同様に、放課後のクラブ活動・部活動などへの参加、学校行事への参加なども止めなくて大丈夫です。
不登校になってなによりつらいのは、人との関わりが激減することです。いくら家族と会うといえど、それ以外の人との関わりが皆無になっては元気になるものも元気になりません。
その友達との繋がりが、学校復帰・社会復帰へのキッカケとなることも考えられます。
逆にそういった関わりが一切ないとしても、気にする必要はありません。「誰とも繋がらない時間」が癒してくれるものもあります。
勉強は気持ちが元気になってからでいい
お子さんが不登校になった時、多くの保護者の方は勉強・学習面が不安になると思います。特に小学校の範囲は独学で学ぶことが難しく、家で勉強する(ホームスクーリング)にしてもまず何からやればいいのか分からない……迷ってしまいますよね。
断言します。お子さんが不安を抱えるうちは、無理に勉強に取り組もうとしなくて大丈夫です。
もちろん将来、受験や進学といったタイミングではある程度の学力が必要になります。学校に復帰する時にも、学習進度の差からうまく学校に馴染めないケースもあります。
でも、勉強はいつからだって取り戻せます。それよりも、今はお子さんの心身が元気であること、ご家庭で安心して過ごせることが必要です。しっかりと休んだ後に、お子さんのペースに合わせて学習サポートをおこなっていきましょう。
学校に行かない時はどうすれば?
お子さんが学校に行かなくなった時、きっととても不安になると思います。でも安心してください。
「学校に行く」だけが理想の状態ではありません。
フリースクール/塾/家庭教師の選択肢もある
不登校の小学生を対象としたフリースクールや学習塾、不登校専門の家庭教師は年々増加しています。もしお子さんにとって学校の環境が合わなかったのなら、それらの場所に行ってみるのも方法のひとつです。
また、例えば学校とフリースクール両方に通ったり、基本は家で過ごすようにしたり、というのも考えられます。
本人の意思を尊重することが大切
何より大切なのは、お子さん自身の意思です。
お子さんが学校へ戻りたいと考えるのなら、学校へ戻れるようなサポートをしていけばいい。学校には行きたくないと言うのなら、それ以外の場を探してみたらいい。まずはしっかり休みたいと思っているのなら、ご家庭で存分に休憩したらいいのです。
「学校に行かない」という選択ができたお子さんですから、自分にピッタリの場所をきっと見つけられます。焦らず、お子さんと一緒に、一番の居場所を探していきましょう。
まとめ
文部科学省によると、令和4年における不登校児童生徒数は24万4,940人(前年度19万6,127人)で、児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は25.7人(前年度20.5人)と公表されています。不登校児童生徒数は9年連続で増加し、過去最多となっています。
出典:「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_1.pdf (令和4年10月27日公表)
もはや「小学生の不登校」は特別なことではなくなってきているのかもしれません。いろいろと考えなければならないことも不安なこともあると思いますが、身構えすぎず、まずは目の前にいるお子さんと向き合いながら、考えてみていただけたらなによりです。
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