今は様々なタイプの高校があります。
全日制・定時制・通信制高校、それぞれの違いをまとめてみました。
学校生活
▪️学年制と単位制
- 学年制はその学年で履修する単位が決められています。全日制と夜間定時制の多くは学年制です。
- 単位制(無学年制)は卒業までに74 単位以上を取ればよく、留年はありません。ほとんどの昼夜間定時制と通信制は単位制(無学年制)です。
▪️登校ひん度
全日制と定時制の登校ひん度は、学年制と単位制で大きく違います。
学年制は、クラス全員ほぼ同じ時間割で週に5日ほどです。
単位制(無学年制)は個別に時間割を組めるので、授業の取り方により週に1〜5日です。
通信制の登校ひん度はネットコースが0日、通学コースが週に1~5日(任意)ですが、スクーリングへの参加は必須です。
スクーリングは通いで、合宿制の学校もあります。
▪️授業形態
全日制と定時制は対面授業で、科目ごとに2/3~3/4以上の出席が求められます。授業出席と試験で単位が認定されます。
通信制は、映像授業やテキストで学習しレポートを作成、提出します。レポート、スクーリング、試験で単位が認定されます。
定時制や通信制は不登校だった生徒も多いので、学習面で相談にのってもらえることがあります。
通信制高校の生徒に伴走するサポート校もあります。学習支援、精神面のケア、友達づくりや多様な学びの機会を得ることができます。
サポート校には提携している私立通信制高校があります。公立の通信制高校はサポート校と併用できません。
定時制や通信制は、行事や部活への参加はゆるい傾向があります。
公立通信制は、主に高卒資格を得るための勉強をします。
私立通信制は勉強以外に芸能、スポーツ、美容など独自のコースが豊富な学校、個別指導や進学指導に手厚い学校もあります。また、登校型の場合、映像授業、対面授業、個別授業など様々な授業スタイルがあります。
私立通信制高校とサポート校は、特徴も仕組みも学校によりまったく異なります。詳しくはサイト、資料、説明会等で調べてください。
『未来地図』:全国の通信制高校情報
https://miraitizu.com/tsushin-school
▪️学費等
全日制、定時制、通信制のいずれも就学支援金制度が使えます。
文科省:高校生への修学支援の概要
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/20240319-mxt_kouhou02-5.pdf
入学
転入は現在の高校に籍をおいたまま別の高校に入学することで、編入は中退してから入学することです。転入と編入では入試の条件が変わったり、在籍期間にも影響したりするので、在籍校や志望校の先生に相談してみてください。
入試の調査書に内申点や欠席日数の記載があっても、入試での取り扱いは自治体や学校により異なります。みなし内申点をもらえたり、出席日数を見ない場合もあります。
私立通信制の入試は、多くが秋から始まります。公立の単位制・通信制の入試は、全日制と同じ時期です。単願か併願か、学費の振込期日、分納できるかなど、もろもろ確認してください。
地元以外の公立高校へ進学する国内留学制度(地域みらい留学)もあります。
また、寮のある私立高校に進学する人もいます。
地域みらい留学HP
https://c-mirai.jp/
通信制高校は、通う地域が限定されている狭域通信制と、全国から入学できる広域通信制があります。
卒業
全日制・定時制・通信制はいずれも高校課程であり、卒業の条件を満たせば高校卒業資格が得られます。
(高卒認定試験と特別支援学校高等部は高校卒業資格を得られません)
基本的に3年以上在籍して74 単位以上を修得し特別活動も行い、全課程修了したと認められれば卒業になります。
2つ以上の学校に在籍した場合、在籍期間や取得単位は合算できることもあります。
休学中は在籍期間に含まれません。
表の卒業後の進路は、以下の資料に基づきます。
文科省:高等学校通信教育の現状について(令和2年1月15日)
https://www.mext.go.jp/content/20200115-mxt_koukou01-000004175_5.pdf
その他
・学びの多様化学校(不登校特例校)の高校
文科省:学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm
・最新のトピックスとして「通級指導のある高校」や、全日制や定時制で「36 単位までオンライン授業などで単位がとれる(高校での不登校の生徒むけ)」が学校長の判断により可能、との法整備がされました。
・夜間中学
文科省:夜間中学の設置・検討状況
https://www.mext.go.jp/content/2023-mxt_syoto02-000021383_1.pdf
・高卒認定試験
文科省が、高校を卒業した人と「同等以上の学力」があるかどうかを認定する学力試験を行っています。科目を何度かに分けて受験できます。
高校卒業資格とは異なります。
文科省:高等学校卒業認定試験(旧大学入学資格検定)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
細かい点は、学校により異なります。学校を検討する際は、合同説明会、学校主催の説明会、オープンキャンパス、文化祭などの他に、普段でも個別に対応してくれる学校もあるので、問い合わせてみてください。直接見て話を聞くとイメージがつかめます。
まとめ
多様な進学先があることを知ると、保護者の安心材料になります。しかし、一番大切なのはお子さん自身の意思です。心身の傷が癒えていない場合、進学先の検討より前にケアが必要なこともあります。お子さんに意欲が出てきたら、お子さん主体、保護者は手伝いというスタンスで、一緒に次の進路を探してください。
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