【不登校生の声】保護者の対応で嬉しかったことまとめ

我が子が不登校になった時、突然のことに戸惑って、どう対応すればいいのか分からなくなることもあると思います。

親として、どう声かけをすればいいのか。
どう子どもと向き合っていけばいいのか……。

今回は、元不登校生に実際に聞いた「保護者の対応で嬉しかったこと」「不登校の時にしてほしかったこと」をご紹介します。

家族同士が仲の良い関係でいてくれた

多くの不登校生は、ほとんどの時間を家で過ごすようになります。
だからこそ、家庭内の雰囲気はとても重要。
夫婦間にトラブルがあったり、兄弟喧嘩が日常茶飯事だったりすると、それだけで子どもは疲れ切ってしまいます。

具体的にどうすればいいのか

無理に仲良くする必要はありませんし、人間同士嫌なところもあると思います。
それでも、喧嘩は子どものいないところでする、週に1度は家族の時間をつくるなどの配慮をして、子どもが居心地の悪さを感じないようにしましょう。

元不登校生の声

元不登校生Sくんの場合
やりたいことをやりたいと素直に言える環境に居たかったです。家庭内別居の時期があったので、家族の仲が良かったらいいなとずっと思ってました。
今でも仲の良い家族を見ると羨ましいなと思います。

本人の意思を尊重するスタンスでいてくれた

学校に通っていると、テストやグループ活動など、さまざまな「挑戦する機会」があります。
しかし不登校になると、接する人も減りますし、チャレンジすることも激減。
さらに、不登校によって自信喪失する子どもも多いので、余計に「何かをしよう・始めよう」という気持ちは起きにくくなります。

だからこそ、本人が何か意思を表明した時には、周りもそれをサポートすることが大切なのです。

具体的にどうすればいいのか

「これをやってみたい」「あれを始めたい」
子どもが何か意思を伝えてくれた時には、「それよりも学校に行くことが先でしょ!」「どうせまたすぐ辞める……」などと否定してはいけません。
あくまでもそれを尊重し、「やるにはどうすればいいのか?」を考えるようにしましょう。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
「学校に行きたくない」と学校を行くのが辛かった僕に対して、「嫌だったら無理しなくても休んでもいいよ」と決して甘やかす声ではなくて、頑張らなくてもつらい時は休んでいいと言ってくれたことや「通信制の高校に行くことも考えている」と言った時に、自分の知らない間に通信制のパンフレットを集めてくれたことは、とても大切にされているなと感じました。~です。

休むことを許すような声かけ

世間一般的には、不登校はまだまだネガティブなイメージを持たれています。
そしてそれは子どもが一番感じていて、「わたしはなんてダメなんだ」「当たり前のこともできないなんて」と、自分を責めてしまうのです。

一番近くにいる家族が、あなたが、まずは承認する。
他己承認を得るからこそ、自分を承認することができます。

具体的にどうすればいいのか

「学校に行かなくてもいいよ」
「ここに居て大丈夫だよ」
「守るからね」
「何かあったらいつでも話を聴くよ」
「好きなことをしていいよ」

などなど、子どもの居場所を保障するような言葉をかけることが大切です。
追い詰める空気感が出ないように、あくまで優しく、子どもに選択肢を委ねる表現にしましょう。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
当時学校が辛くて家に帰ってからもつらそうな表情をしていた自分に対して、「本当に行くことが辛かったら辞めてもいいよ、でも一番大切なのはSくんが笑っていることだから」と言ってくれて守ってくれました。
元不登校生Sくんの場合
父が「行きたくないなら無理に行かなくていいよ。」と言ってくれて、気持ちを理解し、共感してもらえたことは嬉しかったです。
話す話題も学校や将来のことは避けて、サッカーの話題やテレビのことだったので気が楽でした。

気持ちに共感してくれた

不登校は、孤独です。
集団に馴染めず、本来行くべきだと思っている場所に行けず、自分と同じ年の人が経験していることを自分はできない……。

そんな苦しさ、寂しさ、もどかしさに共感し、受け止めることが大切です。

具体的にどうすればいいのか

「頑張ってきたんだね」と言葉をかけるなどして、「あなたの気持ちに共感しているよ」ということを具体的に示せると良いですね。

また、完全には理解できなくても、「あなたの気持ちを分かりたいと思っている」という姿勢を示すだけでも効果が期待できます。

明確に理解しようとするのではなく、モヤモヤしたものや曖昧なものも含めて「共感し、受け止める」ことを意識しましょう。

元不登校生の声

元不登校生Mさんの場合
当時は自分でも分からないくらいに気持ちがモヤモヤしていて、親から「なんで学校に行きたくないの?」などと訊かれても答えられませんでした。
もっと親が代弁してくれたり、気持ちを言語化する手伝いをしてくれていたら、楽になったと思います。

大学や進路について希望を与えてくれた

多くの方が、「不登校=進学・就職に不利」と考えています。
実際に、学校での内申点などを重視する受験方法であれば、出席日数が少なく・成績も低下しやすい不登校は不利と言えるでしょう。
しかし、学校での成績を加味しない受験方法はありますし、高校を卒業できずとも、高校卒業程度認定試験(旧:大検)に合格して高校卒業資格を得ることも可能です。

今に絶望する子どもにとって、未来への希望は生きる力となります。
絶望を与えるのではなく、希望を与えるような声掛けをしましょう。

具体的にどうすればいいのか

仕事の大変さや、世の中の厳しさをあえて伝える必要はありません。
それよりも、仕事・勉強のやりがいや楽しさ、面白さについて話しましょう。

保護者の方が話すのも大切ですが、難しい場合には「高校生・大学生の話を聴く機会をつくる」「といったことも効果的です。

オープンキャンパスは来場者が楽しめるように工夫されているので、そういった場所に出かけてみるのも良いでしょう。

ただし、不登校になり始めの頃などは進路のことを考えたくない・学校という言葉が嫌だという時期もあるので、あくまで本人が無理しない範囲に留めることが大切です。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
自分の兄が「大学はしんちゃんが思ってるような場所じゃなくて、もっと自由なところだし、そんなクソみたいな奴はいないから安心して」みたいな感じで慰めてくれた。

そっとしておいてくれた

不登校だからといって、あれもこれも心配して、腫れ物に触るような対応をすると、かえって子どもの居場所を無くしてしまう可能性があります。

過干渉にならずにそっと見守り、子どもの居場所を守りましょう。

具体的にどうすればいいのか

「放っておく」や「諦める」とは違うので注意が必要です。

本人が回復するまで待つ。
こちらから声をかけるのではなく、本人が何か言ってくるのを待つ。

特に学校・勉強・将来といった話は怖がる子どもが多いので、執念深く待つようにしましょう。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
自分が休んでいる時に、「いつから学校にいくの?」というのではなくて、ゲームセンターとかで遊んでいてもそれを尊重してくれたし、ご飯とかいつも通りにしてくれた。
元不登校生Sくんの場合
時期にもよりますが、口出しされて嫌だったので、そっとしておいてほしいと思うことが多かったです。
最初はやりたいことがなかったので、やりたいことを見つける手助けをしてもらえたら良かったのかなと思います。
興味が湧きそうな分野の本や雑誌があれば、一人の時に読もうとしますし、人一倍時間はあるのできっかけがあるととことんのめりこむはずです。

外に連れ出してくれた

不登校になると必然的に家で過ごすことが多くなります。
「学校の人と出くわさないか」「昼間から子どもが出歩いていたら変な目で見られるだろう」といった不安から外出を控える子も多いのです。

しかし、一日中家の中にいて、日光を浴びない生活をしていると、自然と人の心は落ち込んでいきます。
「学校に行っていない」罪悪感を持っている状況ではなおさら。

外出したり、好きなことをしたり。
そうした気晴らしの手伝いをすることも大切です。

具体的にどうすればいいのか

ほとんど家から出ない状態の場合は、いきなり遠出をすると疲れてしまいます。
ただ、あまり近所だと「クラスメイトと出くわすのではないか」と不安になる子が多いので、車で10分程度行ったところや、電車で二駅ほど行ったところがいいかと思います。

場所は本人が楽しめればどこでもいいのですが、人が多いところや騒がしいところは負担に思う子が多いようです。
軽く川遊びしたり、ドライブを楽しんだりするのもいいかもしれませんね。

親御さんだけでなく、兄弟や友達が一緒に出掛けるのもおすすめです。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
自分のことを楽しくさせようと親が気を使ってくれたのか、ショッピングモールやいろんなところに連れて行ってくれた。もちろん、近場だと誰かに会うかもしれないので、遠くのところに車で連れて行ってくれた。
元不登校生Sくんの場合
兄が「サッカーやろうぜ!」と言って公園に連れ出してくれた時や、時々部屋に来て一緒にゲームしたり、好きな曲の話をしたりと時間を忘れさせてくれたことは楽しかったです。

病院や相談先を紹介してくれた

うつ病やパニック障害などの懸念がある場合や、本人がつらそうにしている場合には、医療機関に相談するのも良いかと思います。

第三者の力も借りながら、子どもの心を軽くしていきましょう。
尚、「子どもが学校に行けないのは自分のせいだと感じて苦しい」「子どもが家にいるのを見ると怒りの感情がわいてくる」といった場合には、親御さんも精神科・心療内科などの受診をご検討ください。

具体的にどうすればいいのか

まず重要なのは、強制しないことです。
精神科やカウンセリングなどと言うと、「わたしは病気じゃない!」「俺の頭はおかしいのか」と混乱してしまう子も多いので、「カウンセラーさんとちょっと話してみない?」というような、なるべくライトに誘いましょう。
すべての子どもに必要なわけではないので、断られたからといって落ち込まないでくださいね。

精神科・心療内科などがある病院であれば基本的に対応してくれるかと思いますが、不安な場合は電話やメールで問い合わせてみると確実です。
不登校や子ども専門の相談・医療機関もあるようなので、気になる方は調べてみてください。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
自分が結構落ち込んでいて「死にたい」とかを行った時は、一旦話を聞いてくれて、そして、心療内科みたいなところを「無理しなくても良いけど、良かったら行ってみる?」と言った形で連れて行ってくれた。

先生・学校とのやりとりを代わりにしてくれていた

不登校になると必然的に増えるのが、「先生・学校とのやりとり」です。
学校で配布されたプリントの受け取り、書類の提出、家での様子の報告、今後のことに関する相談などなど・・・。

子ども本人と先生が直接やりとりしたほうが早いし確実だと思うかもしれませんが、子どもにとっては大きな負担となりやすいので注意が必要です。

具体的にどうすればいいのか

なるべく親御さんが代わりにおこない、子どもにとって必要な情報のみ届けるようにしましょう。
すべての情報をそのまま伝えるのではなく、子どもの様子や心の状態を見て、段階的に伝えることが重要です。

また、家庭訪問などがあった際にも、子どもが嫌がる場合には無理に会わせようとしないでください。
家の中での話は子どもは聞いていますから、子どもにとってネガティブな話題は電話や家の外で済ませることをおすすめします。
滞在時間もなるべく短く、15分程度で終わらせるようにすると子どもの負担を軽くできるでしょう。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
休む時の電話や、2週間ほど学校を休もうという時にも先生とのやりとりは親がやってくれて、いいかどうかはわからないけれど、怖い先生から守られるため、自分は親という影に隠れて安心して休むことができた。

絶対的な味方になってくれた

不登校になると、周りがすべて敵に見えてしまうことがあります。

学校の先生やクラスメイトたちは、自分のことを「怠けている奴」と思っているのではないか。
休みがちな自分を笑っているのではないか。

すれ違う人も自分のことを笑っているに違いない。

そんな気持ちに駆られている子どもにとって、「絶対的な味方」は必要な存在なのです。

具体的にどうすればいいのか

子どものことや、不登校・引きこもりなどのことを否定せず、受け入れてあげてください。
本人のことだけでなく、他の子どもなどに対する否定も敏感に受け取る点に注意が必要です。

また、子どもによっては”試し行動”をおこなうことがあります。
あえて周りと比べるような発言をしたり、親のことを責めたりして、「親が本当に自分を愛しているのか」を確かめようとするのです。
子どもの行動が、試し行動なのか、そうでないのかを慎重に見極め、適切な対応をするようにしましょう。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
「何かあったら、俺がPTAに言ってあの先生のことを報告しておくから」と父親が言ってくれて、いざとなった時に親が守ってくれるという安心感と父親がいてくれるという守ってくれていることが嬉しかった。

学校に行く時も支えになってくれた

子どもが学校に復帰する時、親としては「やっと元通りの生活になる」「もう大丈夫だ」と期待するかもしれません。

しかし実際には、クラスに馴染めなかったり、勉強が追いつけなかったりして、またすぐ不登校になることも珍しくないのです。
学校に戻ることが決まった時にも、「すぐに解決する」とは思わずに、根気よく支えていくことが大切です。

具体的にどうすればいいのか

学校に戻ることが決まった時には、過度な期待を寄せずに、「そうなんだね」「応援しているよ」程度の軽い声掛けにとどめておきましょう。

学校に行く時にも、あらかじめ学校の先生と相談して、まずは週1日から通うようにしたり、参加する授業を選んだりして、お子さんがストレスなく通えるようにサポートしましょう。
送り迎えなどをするのも良いですが、過保護になると子どもが「どうせ無理だと思われている?」「親はわたしを信用していないのかも」と考える可能性もあるので、基本は”見守る”スタンスで、何が必要かをお子さんに聞いていくのがおすすめです。

元不登校生の声

元不登校生Oくんの場合
学校に行く時には学校に行くまでの道で親からのラインが入っていて、その内容を見てみると、「Oくんは頑張ってるから、無理しない程度にやってね」というラインを学校に行く時、朝僕が辛そうな顔をしている時に送ってくれて、学校に行く時のお守りのようなものだった。

学習面でのサポート

不登校になると、授業が受けられなくなることはもちろん、学習する体力・精神的余裕がなくなってしまう子どももいます。
無理に勉強させるのはおすすめしませんが、学校復帰や進学・就職などを子どもが目指し始めた時には、学力面のサポートも欠かせません。

具体的にどうすればいいのか

自宅学習の場合には、学校の教材は授業ありき(人に教えてもらうことを前提)でつくられていることもありますので、自習用の教材を購入することをおすすめします。

「何をしたらいいのか分からない」という場合には、家庭教師や学習塾、フリースクールなどを利用したり、学校の先生に問い合わせたりすると、勉強しやすいかと思います。

元不登校生の声

元不登校生Sくんの場合
高卒認定を取る時や大学受験の際には、わからないことを教えてもらったり、書類や願書関係のことを自分で書くところ以外全て父がやってくれたので、今では頭が上がらないほど感謝しています。

まとめ

今回は、「保護者の対応で嬉しかったこと」「不登校の時にしてほしかったこと」をご紹介しました。

「すべての子どもに効果がある」というわけではありませんが、お子さんと接する際に、ぜひ参考にしてください。

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