母親
通信制大学に申し込んだ
3071 edit2022.07.28
浪人1年目の、軽い発達障害のある息子がいます。
バイトは続かなかった様子です。多分。
初バイト代でラーメン食べに行って、「自分で稼いだお金で食べたらおいしい」と言っていました。
息子、東京の通信制大学に申し込みました。
卒業した通信制高校に自分で電話して、バイト用に買ったシャツとスラックスを着て、電車で1時間かけて、卒業証明書を取りに行きました。
オンラインの入学説明会に、シャツを着て参加し、資料請求したそうです。
5日後、届いた資料を開封して眺め。
「申し込んで良い?」
「いいけど、費用とかコースとか、もうちょっと具体的に教えてくれないと」
「ほら、○円くらい。○○の資格が取れる。地元で通える(←多分勘違い)」
「…ん?あーなるほどねぇ。夏に2日、地元でスクーリング受ければ良いんだねぇ」
「うーん…」と考え出し。
「どうした?何か迷ってる?」
「うん、ここ(通うコース)がいい」と。
「…一人暮らしってこと?」
「そう。サークルとかも参加したいし。」
「えーっと。一人暮らしってことは、全部自分でやるんですけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫。やろうと思えばできる。」
そしてそれから、数日かけて、書類を、夜一緒に書きました。
1枚書いては、「疲れたー。残りはまた明日」と言い。
作文があったのですが、
「これ、字数入るかなぁ?」と言うので、
「一回下書きしてから書くといいよ。」
「全部鉛筆で下書きするってこと?!超大変なんだけど!(怒)」
「いや、別の紙に。」
「原稿用紙ある?」
「書き出しって、○○みたいな感じでいいかな」「○○って漢字でこれで合ってる?」等々、時々聞いてくる。
「いいんじゃなーい。」「自分で書けるねぇ。やっぱり作文は自分で書いてきたかいがあったねぇ」と軽く答えてそばで違うことをする。
夜も遅くなり、
「もうお母さん寝ても良い?いたほうがいい?」
「寝てください」と、書き進め。
朝起きると、字数ぴったりの原稿がリビングの机の上に置いてありました。
迷いましたが、誤字脱字を少し直し、付箋に直した理由と花丸とよかったら参考に、とも書いて、寝ている息子に声をかけ、
「よく書けてたよ。ちょっと見させてもらったけど、自分のいいようにすればいいからね。」と。
夕方、息子、それを見ながら、清書していました。
「おれ、字きれいじゃん」と言う息子。普段ミミズのはった字なのですが、左手で紙を押さえながら集中して書いていて、字の訂正もゼロでした。
行かなかった専門学校の願書を数ヶ月前に書いたときには、4分の1の量で、字の訂正が3箇所もあったのにね。成長したな、息子よ。
途中言い合い?みたいになることもありました。
出すときにもひと悶着あり。
書類を確認して入れていったら、
高校からもらった書類が一つ足りないことに気づき。
「ええええもう一回取りに行くの?電車賃が2000円くらいかかるんですけど(怒)」
「もういいや、無職になっても。このまま出そう」
本人が、とりあえずこれで出すというので、郵便局に連れていきました。
「不備があったらまた送る。でもワンチャンいけるかも」と。
家に帰ると、書類があり、「不備があってすみません」と書いて、追加で提出していました。
「合格通知出るまでに、調べておかなきゃいけないこととかあったら調べておいてね。」
「もうやってる。どうやって授業とるかとか、どのあたりで住むかとか。」と。
やる気はとってもあるみたいです。やる気はね。
問題は、続くかどうかなんですけどね。
でもね、今日たまたま、引きこもり支援の話を聞いてきたんです。
そこで、回復の段階を聞きました。
①「苦悶期」…罪悪感・焦燥感・攻撃行動・身体症状・人との接触を避ける
②「休息期」…無気力・時間つぶし・指示されての行動・人との接触を避ける
③「始動期」…自発的な動き・趣味などへの行動拡大、家族との関係好転
④「帰心期」…学校への関心・学校からの働きかけへの期待
⑤「準備期」…登校の想定・不安を一つずつ自分の中で解決
⑥「挑戦期」…登校に挑戦(→挫折→再挑戦…)
⑦「不安定登校期」…継続的で正常な学校生活ができない(別室登校等)が、徐々に克服
⑧「自分の内部の不安定状態を、ほぼ自分で克服できる」…継続的で正常な登校や学校生活、ときに小さな挫折はある
という段階だそうです。階段を上っては少し転がり落ち、また上り…思い悩みながら少しずつ…だそうです。
それから、「危険因子(ストレスなどマイナスになること)」よりも「保護因子(声掛けしてくれる人がいるなどのプラスのこと)」が上回ると状況が改善されるそうです。
ひきこもり支援のステップとして、
安心…裏表のないコミュニケーション、挨拶や雑談、子供にストレスをぶつけない
自信…小さなことでもできたことを評価する、日常的に本人が「できる」ことを知っている
自由…小さなステップの「選択肢」を知っている。本人が選べるような声掛け、人間関係の練習のために参加できるような居場所を知っている。
という話も聞きました。
息子、がんばって生きています。思い悩みながら、生きています。
信じるっていうのは、
「学校にちゃんと行ける」とか「学校をやめない」とかの親が期待する行動をすることを信じるっていうことじゃなくて、
行けても行けなくなっても、息子ならちゃんと自分で考えて選択できる、息子の判断に委ねられるっていうことなのかもしれません。
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コメント一覧
7件の投稿を表示中1-7件目(全7件)
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みかんさん、とくめいHさん、匿名さん、ありがとうございます。
お会いしたわけでもないのに、
応援していただいてる感じがして、
とてもうれしいです。
上手くいくか、いかなかったらどう声かけようか、いろいろ考える毎日です。
回復の段階のステップがほんとその通りで驚きました。
うちは⑦まで来ています。
が、⑦が長い!こと。
⑧の正常登校になることはあるのかな。
その前に卒業したりして。
支援のステップも、結構当てはまっていてビックリです。引きこもりとしてではなく不登校としてですが。
親子間で裏表のないコミュニケーションからの
お手伝いなど小さなことでもできたことを評価して
本人が選べるような声掛け、
最後に習い事や塾など人間関係の練習のために参加できるような居場所が出来ました。
うちも診断には至りませんでしたが
確実に特性ありの子供ですので、自立の一歩を歩み出されたお子さんに勇気づけられました!
オレンジさん
陽さんの「横溝先生のパネディス風飲み会」に参加されたことはありますか?
福岡の小児科医である横溝先生は、一貫して「子どもは変わらなくていい、環境(母親など)が変わればいい。子どもを導かない、アドバイスしない、失敗してもいいから全て自己決定させる、失敗しても助け支え続ける」と話されています。
まさにオレンジさんのされているのがこれに当てはまっていて、息子さんは自分で考えてどんどん動き出されているのかなぁって感じました。
私は、息子が大学生になり離れて暮らすようになって初めて、自己決定させることの大切さを知りました。不登校中は何に対してもあんなに無気力だったのに今はびっくりするくらい自分で考え動き出しています。私は、息子が目の前にいないことをいいことに、どんなふうに毎日を過ごしているか知りませんし、頭によぎることもなくなりました。
以前、「所得や学歴より“自己決定”が幸福感に強い影響を与える」と聞いたことがあります。
日本の高校生の幸福度は、先進国の中でも下から数えた方が早いくらい低いのは有名です。この自己決定って関係があるのかなぁって思います。
不登校は、できれば経験したくはなかったけれど、今そこに気づけた私たちはある意味幸せなのかな。不登校がなければ、こんなに子どもと向き合うこともなかったと思うので。
みかんさん
「自分が干渉しないように」「たぶん何か考えている。なんとかしようとしている。本人に
任せようと思い始めた」
息子さん、本当にいいお母さんがいて幸せですね。
以前、息子さんは「俺は一人が好きなんじゃない。友達が欲しい」って言ってるって書かれていたと思うんですが、息子さんちゃんと自分の考えを持っていてその希望をお母さんに話せることができる。もう動き出してますよね。みかんさんのようなお母さんがついていたらきっと大丈夫です。生意気に聞こえたらすみません(^_^;)
息子さん、立派です。
バイト先を探していた頃から拝見していました。
失敗したり、つまずいたりしながら、子供は強くなるんですね。挫折も大切なことですね。
私はほんとに最近、
私が心配しすぎ、子離れしないとだめだな、と
ふと思うようになりまして、
普通に過ごしながら、干渉しないようにしようとやっと思うようになりました。
反抗期で、意気地無しで、引きこもりだけど、
たぶん彼は、何か考えている。
たぶんなんとかしようとしているんだろう。
やっと本人に任せようと思い始めたところです。
とても参考になりました。
段階の説明もとても勉強になります。
うちはまだまだこれからですが、
ゆっくり付き合っていきたいと思います。
息子さんに楽しい未来が開けますように✨
トピック作成者
yuchiaさん、minさん、コメント励みになります。
いつもありがとうございます m(_ _)m
そして、私のまとまりのない駄文を読んでくださった皆様、
ありがとうございます。
いろいろと心配ではありますが、がんばって見守りたいと思います。
オレンジさん
息子さん、素敵です😁
まさに一進一退、そして前進ですね!
ちゃんと自分で考えて
決めるができてる。
すごいです🌟
不登校段階
息子は⑥
娘は④かな🤔
オレンジさん
素敵なお話、本当にありがとうございます。
回復支援の内容も勉強になりました(私、自分の不出来さを改めて思いました・・・)。
素敵な息子さんの今後が、本当に楽しみです。また教えてください。
今はまだまだサナギの我が息子ですが・・・励みにして、私も頑張りたいです。