【インタビュー】フリースクール「小学生に特化したフリースクール「みらいゲート秋葉原」」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は全国各地でフリースクールを開催している「小学生に特化したフリースクール「みらいゲート秋葉原」」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

(右)運営担当の矢野健です。1995年、学習研究社入社。家庭向け訪問販売の代理店支援に従事の後、合弁会社学研こどもの森にて学研グループ初の保育所運営を展開。学研ココファン・ナーサリー立ち上げに携わり、学研アカデミー保育士養成コースやフリースクール「みらいゲート」等の新規事業立ち上げに従事。お笑いとアメリカンフットボールをこよなく愛し、ライブと試合観戦は欠かさない。

(左)施設長の阪本美樹です。保育園の園長を務めた後、学研のフリースクール「みらいゲート秋葉原」に施設長として入職。施設認知活動や保護者対応、子どもたちの活動対応、プログラム内容の作成、InstagramやX(旧Twitter)のSNS記事作成などの業務を行う。運転と映画が好きで、一人で出掛けることも多い。最近は手書きの筆文字で気持ちを伝える「伝筆」を勉強中。

小学生に特化したフリースクール「みらいゲート秋葉原」はどのようなフリースクールですか

みらいゲート秋葉原の特徴は、小学生に特化したというところと、あらかじめ決められたカリキュラムではなく、お子さまたちの自主性を重んじているところです。他のフリースクールは、カリキュラムが1時限から4時限ぐらいまで学校の時間割のように組まれているケースが多く、それに沿って活動するのですが、『みらいゲート』の場合、仮で決めてはありますが、あくまでもお子さまたちの自主性が最優先。自ら意欲的に活動をしたり発言をしたりすることが難しいお子さまたちが多いので、その子たちの自主性を大切にしています。そのなかから、 新しいことにチャレンジする意欲が出てきたというお子さまたちを、たくさん見てきました。

また、学校で先生とトラブルがあった子や先生が怖いと感じている子も多いので、ここでは〇〇先生ではなく、あだ名で呼んでもらっています。自己紹介するときに、「私のことは“みきちゃん”って呼んでね」と言っています。他にもすーさん、ちこちゃん、アッキーなど。プレオープンの際、職員同士で児童との対応を決めるときに、全員一致で決まりました。スタッフは4名で、全員が保育士の資格を持っています。なかに社会福祉士と図書館司書の資格を持っている者もいて、全員がお子さまの対応を行っています。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

みらいゲート秋葉原がある場所は、元々(株)学研ココファン・ナーサリーが運営する保育園だったのですが、千代田区が待機児童問題を解消したこともあってクローズし、新規事業のトライアルを行う場所にしようとプロジェクトを発足したのがきっかけでした。当初は、通所受給者証の認定を受けることに抵抗がある方や、公的支援を受けずに施設の利用を希望される方、不登校児も含め発達に困難のあるお子さまを対象にしてフリースクールをスタートしたのですが、発達支援に偏りすぎている部分がありました。本来、ここでやろうとしていた事業は、社会保障費によらない、保育園や学童以外のサービスだったので、もう一度スタッフと一緒に事業検証し、改めて千代田区の現状などの調査も行いました。教育委員会や自治体などとも話をした結果、不登校児が非常に増えていることがわかりました。それに対する千代田区の行政対応も行われていますが、限られた方しか利用できない、もしくは高学年しか利用できないという現状があり、改めて、小学生の不登校児にフォーカスしたフリースクールとして事業をリニューアルしました。学研のグループ会社である(株)学研エル・スタッフィングが中高校生向けの『WILL学園』というフリースクールを運営しているため、『みらいゲート』は小学生に特化することにしました。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

お子さまが心を開いてくれるまでの期間は、何でも受け入れてくれる存在も必要だと思っています。信頼関係を築いていくうえで、保護者の方もお子さまもマンツーマンの対応を望む方も多いので、そこは大事にしています。また、居場所を必要としている子が、ここを居心地のいい居場所と感じてくれることが、私たちの希望です。また、現在、入会しているお子さまは約50名となります。何らかの理由を抱えて学校に行けず家にいるお子さま、居場所を探しているお子さまが本当に多いということを、ここに入ってから感じます。ですから「こういう施設があるんだよ」ということをこれからも伝えていきたいです。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

みらいゲート秋葉原に来た当初は表情も硬かったり、顔色もすぐれなかったりした子たちが、ここでの活動を通して、笑顔を見せてくれるようになったり、たくさん会話もしてくれるようになったりします。職員も含めてみんなでドッジボールなどをするのですが、顔を真っ赤にして楽しんでいる最中にお母さんがお迎えに来られたことがあり、「こんなに生き生きとした表情を見たのは久しぶりです」と感激されたときはうれしかったですね。ほかにも、こま回しやけん玉などの昔遊びは、ここに来るまではやったことがなかったというお子さまも多いのですが、朝の時点ではまったくできなかったのに、がんばり続けることで、お迎えが来る夕方にはけん玉ができるようになった子もいました。私たちが「がんばって!」と言い続けたわけではなく、その子がもともと持っていた“努力する力”が引き出されたのだと思います。一つのことができるようになることで、自信がつき笑顔に変わっていく姿を目の前で見られることは、大きな喜びですね。余談ですが、うちの職員もみんなすごくけん玉が上手になりました。

これからどのような場所にしていきたいですか?

不登校児は、障がいや学校でのいじめが原因であることが多いといわれるのですが、昨今「起立性調節障害」といって、やる気がなかなか出ないというお子さまが非常に多くなっています。そうしたなか、ここに来て声を出したり体を動かしたりするうちにやる気が出てきて、復学したお子さまもたくさんいらっしゃいます。ただし、『みらいゲート』は復学を目指しているわけではなく、少し抽象的ではありますが、お子さまたちが 自分で意欲的に何かをしたいというやる気を引き出すことを目指しています。

好きなものや得意なものがある子に関してはそれをさらに伸ばすサポートを、それが見つけられない子に関しては、ここでのたくさんの体験を通して、好きなものや得意なものを見つけてもらいたいと思います。また、集団が苦手、コミュニケーションが苦手というお子さまに関しては、ここでいろいろなお子さまたちや職員と接することで、少しでも苦手意識が和らいでくれればと思っています。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

保護者の方とは、入会後は2か月に一度は面談をするようにしていて、家での様子やここでの様子を共有し合うことで、その子にとって、今何が必要なのかを一緒に考えるようにしています。面談を通じて職員が保護者の悩みを聞かせていただいたくこともあります。希望する方には保護者向けのセッションとして、臨床心理士や公認心理師が対応しています。また、懇談会という形で、保護者同士がそれぞれの悩みを共有し合う場を企画しています。ふだん、お子さまと24時間365日一緒にいる中で、少し離れる時間をとり、スタッフも交えて親御さん同士がゆっくり話し合える場になればと思います。

体験会も随時行っていますのでお気軽にご連絡ください。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「小学生に特化したフリースクール「みらいゲート秋葉原」」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/74226
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