【インタビュー】フリースクール「居場所支援コッコロパーク」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は北海道でフリースクールを開催している「居場所支援コッコロパーク」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

私たちマザーライフサポートは、不登校で悩む子どもたちと、そのご家族を支えるボランティア団体です。
「安心できる場所」「自分のペースで過ごせる時間」「つながりを感じられる機会」を大切にしながら、学習支援・居場所づくり・相談サポートなどを行っています。

学校に行けないことに加え、強い不安や孤独感から、自傷行為や自殺を考えてしまうなど、深刻な悩みを抱える子が少なくありません。私たちは、そうした背景を持つ子どもたちも安心して過ごせる「安全な居場所」と「寄り添う支援」を何より大切にしています。

子ども達には自分の人生を、自分の手で取り戻せるように、再び歩み出す力を育めるよう、今後も活動を続けてまいります。

居場所支援コッコロパークはどのようなフリースクールですか

私自身、これまでたくさんの子供たちと関わる中で、多様な背景を持つ子どもたちと出会ってきました。
彼らの多くは「できないこと」ばかりに目を向けられがちで、本来持っているすばらしい力に気づけないまま、自信をなくしてしまうことがあります。
しかし、時間をかけて気持ちを聴き、一緒に好きなことをやってみると、表情が明るくなり、自分の世界を少しずつ取り戻していく姿を何度も目にしてきました。
私は、その瞬間に立ち会えることに大きなやりがいを感じています。

コッコロパークでは、「感情に寄り添う」という考え方を大切にしています。
不登校の子供たちは自分の気持ちを伝えることが極端に苦手です。
子どもたちが「自分で選ぶ」経験を積むことが、その後の生きる力につながると信じています。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

このフリースクールを立ち上げた背景には、「子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくりたい」「どうか生き抜いてほしい」という強い思いがあります。
学校に通うことが難しい時期があっても、気持ちの整理に時間が必要であっても、自分のペースで成長していける環境さえあれば、子どもたちは必ず少しずつ前に進むことができます。
その“安心して立ち止まれる場所”として、このフリースペースが存在したいと考えています。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

団体を設立して最も強く感じたのは、「こんなにも孤立して悩んでいる子やご家族が多いのか」という驚きでした。
不登校に加えて、自傷行為や強い不安を抱え、相談する相手がいないまま苦しんでいるケースにも多く出会いました。

同時に、地域の支援者やボランティアの方々、専門機関など、多くの人が手を差し伸べてくださることにも大きな力をもらいました。「一人では支えきれないことも、つながれば支えられる」と実感しています。

そして何より、子どもたちが少しずつ表情を取り戻し、自分のペースで前に進んでいく姿を見るたびに、この活動の意味と必要性を改めて感じます。
これからも安心できる居場所とつながりを広げていけるよう、活動を続けていきたいと思っています。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

運営を続ける中で特に印象に残っているのは、他人の期待に合わせて行動することが習慣になっていた子が、徐々に自分の意見や選択を示すようになっていく場面です。
はじめは「どうしたらいいですか」「どちらでも大丈夫です」といった反応が多く、自分の意思を表に出すことが難しい様子が見られましたが、関わりを重ねるにつれ、「今日は●●したい」「僕は(私は)こう思います」といった具体的な希望を口にするようになりました。

こうした変化は急激なものではありませんが、子どもが自分の基準で物事を選び、行動できるようになる過程は、支援環境が安心の土台として機能していることを示す一つの指標だと感じています。
自分を取り戻すプロセスは時間を要しますが、その積み重ねが日常の安定や自己理解につながっていくと考えています。

地域の支援者や専門機関と連携する中で、複数の立場が協力し合うことで安全な支援につながった事例もありました。個々の団体だけでは対応が難しい課題に対して、連携の重要性を再認識しています。

こうした経験を通じ、継続的な関わりと環境づくりが、子どもと家庭の安定に寄与する可能性をあらためて実感しています。

これからどのような場所にしていきたいですか?

不登校や自傷行為に至るケースの多くは、個人の問題というより、家庭・学校・医療・地域が十分に連携できず、子どもが孤立していく構造的な問題が背景にあります。私たちは、その「空白」を埋める中間支援として機能できる場所を目指しています。

具体的には、子どもが「評価される場所」ではなく、まずは安全に存在できる場所であること。そのうえで、他人の期待に合わせることに慣れてしまい、自分の意思を見失っている子が、少しずつ自己決定の感覚を取り戻していける環境を整えていきたいと考えています。

また、子どもの変化に早期に気づき、必要に応じて心理療法なども取り入れることで、親子関係の悪化を防ぐことも今後の大きな課題です。

短期的な改善を求めるのではなく、時間をかけて信頼関係や自己効力感を積み重ねていけるような、継続的で安定した“安全基地”としての場を育てていきたいと思っています。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

保護者の皆さまが抱える不安や悩みも、遠慮なくお話しいただける場所にしたいと思っています。

コッコロパークでは愛着障害を得意とする心理セラピーの先生と連携し

お母さんんもお子様もカウンセリング(有料)が可能です。

家庭だけでも学校だけでもなく、地域全体で子どもを支えていく仕組みが必要だと感じています。
私たちはその橋渡し役として、保護者の方々とも丁寧に連携し、子どもを中心としたサポートを行ってまいります。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「居場所支援コッコロパーク」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/86140
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