不登校からの学校復帰|再登校の方法と期間・タイミングについて

不登校になったあと、そのまま学校以外のところで居場所を見つける人もいれば、時期をみて学校に復帰する人もいます。

もちろん、本人が学校復帰を望むのであれば、また通えるようになるのは素晴らしいことです。
しかし、勉強の遅れなどからプレッシャーがかかったり、生活リズムの急な変化に身体が追い付かなかったり、学校復帰は必ずしも良い結果をうむとは限りません。

そのため今回は、不登校生が学校復帰する際の流れや留意点についてまとめます。

目次

不登校生が学校復帰するときの流れ

学校復帰する流れは、おおむね4つのステップに分けられます。

1. 学校復帰への不安、不登校の罪悪感を軽くする

多くの子どもは、学校に行かなくなると不安や罪悪感を持つようになります。そういった悩みを解消しないまま学校に戻っても、身体と心が耐えられなくなってしまいかねません。

だから学校復帰したい場合は、まず不安を解消することが大切です。

「学校に行けなくても、誰にも責められない」
「学校でつらくなったら、またここで休める」

学校復帰できない自分を許すこと、学校に行けない自分を許すことが、学校に戻るために一番必要なステップなのです。

2. 学校以外で安心できる場所をもつ

学校復帰への不安が減らせたら、次に学校以外の居場所を確保します。
いざ復帰した時スムーズに学校に通えなかった場合に、安心して休める場所が必要だからです。

家でも、教育支援センターでも、フリースクールでも、親戚のお宅でも、どこでもかまいません。
子ども自身が安心して休息できる、「もしもの時の逃げ場」を見つけましょう。

3. 生活習慣を整える

学校復帰で多くの子どもが躓くのが、生活リズムの差です。

不登校になると、現実を直視する恐怖から引きこもり気味になる子が多く、生活習慣も乱れがち。

その昼夜逆転の生活からいきなり朝登校して夕方まで勉強する生活になると、身体が追い付かなくなってしまうんですよね。

きっちり朝早く起きる生活にする必要はありませんが、午前中から活動を始める、夜は早めに布団に入るなど、できるところから生活習慣を整えていきましょう。

4. 無理のないペースで学校に行き始める

生活リズムが整ってきたら、少しずつ学校復帰への準備を進めていきましょう。

「今日から行き始める!」とキリよく決めたほうが良い子もいるし、「まずは週1日から」と段階を踏んで復帰したほうが良い子もいます。
それぞれの性格などを見ながら、子どもと話し合いながら進められると良いですね。

いきなり毎日毎授業受けるとエネルギー切れを起こしてしまう可能性が高いので、「好きな授業だけ受ける」「午前中だけ行く」など、段階を踏みながら復帰することをおすすめしています。

学校との連携は忘れずに

学校復帰において重要なのは、学校との連携です。

復帰する際に必要なケアがあれば予め伝えておいたり、直近の学校行事について進捗を確認しておいたり、学校と連絡を取り合いながら、無理なく学校に戻れるよう方法を考えましょう。

不登校から復帰にかかる期間の目安

不登校になった時、「いつまでこのつらさが続くのだろう……」と悩む方も多いと思います。

実は、不登校の方の多くは学校に行かないこと自体に悩むのではなく、学校に行かないといけないのに行けないことや、学校に行かない自分に対する周りの目について悩むのです。

だから「不登校を克服する」中での最終目標は、学校に行けるようになることではありません。

学校に行く/行かないにかかわらず、自分自身を肯定できることなのです。

一般的に不登校を克服する期間は3か月~1年程度

それを前提とした上で、不登校を克服する(つまり不登校に悩まなくなる、自分を受け入れられるようになる)のは、だいたい3か月~1年程度と言われています。

▽詳しくはこちらのコラムに書いていますので、よければご参照ください。

不登校の克服にかかる期間は?回復するまでの段階や見極め方を紹介

不登校になった時、「自分・子どもがどのくらいで学校に戻れるのか」「いつまでこのつらい状況が続くのか」といったことを考える方は多いですよ......

不登校の回復にかかる時間は人それぞれ

上で紹介したコラムにも書いていますが、不登校からの回復にかかる時間は人によって違います。数日で吹っ切れる人もいれば、長い時間をかけて少しずつ受け入れていく人もいます。

大切なのは、その人自身が自分を肯定して生きられるようにすること。

「3か月~1年程度」はあくまで目安です。そこに囚われることなく、自分自身(あるいはお子さん)のためには何ができるのかを考えてみてください。

不登校からの再登校。不安を軽減するために知っておいてほしいこと

再登校・学校復帰すると決めた時には、大きな不安が生まれると思います。

無事に学校に戻れるのだろうか?
もしまた不登校になったらどうしよう?
周りの人から変な目で見られるのでは?

そんな不安を少しでも軽減するために、心に留めておいてほしいことが3つあります。

いきなり毎日通う必要はない

学校に復帰する時、「週5日登校、無遅刻無早退」をイメージする方も多いかもしれません。

しかし実際には、いきなり毎日通う必要はないのです。

考えても見てください。これまでは毎日家で過ごす生活だったのにいきなり毎日外出して勉強したら、キャパオーバーになると思いませんか?

ましてや学校では、勉強だけでなく、クラスメイトや先生とのやり取り、グループワークなどもあります。休み時間や放課後の賑やかさが負担となる人もいるかもしれません。

まずは本人の無理のない範囲で、少しずつ学校に慣れていきましょう。

再登校のときのザワつきはすぐに落ち着く

欠席期間が長ければ長いほど、再登校初日はちょっとザワつきます。それは仕方ない。

けれどそのザワつきは、すぐに落ち着きます。長くても1週間した頃には「あなたがクラスにいること」は当たり前になるのです。

自分が教室に入ってちょっとしたどよめきが起こるのは、多少気後れするかと思います。
でも、どうせ数日すれば、あなたがずっと休んでいたことすら多くの人は思い出さなくなります。数日の辛抱だと思って、なるべく気にしないようにしましょう。(それでも気になるけどね、やっぱり。)

登校する以外にもできることはある

もし再登校がうまくいかなかったとしても、気に病む必要はありません。登校することだけがあなたが目指すべき場所、ではないからです。

学校以外の場所に出向いたり、家庭教師や塾を利用して勉強したり、友達と話したり。ボランティア活動や(高校生以上なら)アルバイトをしてみるのもいいですね。

学校に行く以外にも、社会に参加する、人と繋がる方法はたくさんあります。「もし登校できたらラッキー」くらいの気持ちで学校に行けたら、少しは気持ちが楽になるのではないでしょうか。

不登校の復帰は新学年・新学期がいい?タイミングについて

不登校の復帰についての話をすると、よく「新学年や新学期に合わせたほうが良いですか?」と質問されます。

わたしはいつも「必ずしも時期を合わせる必要はない」とお伝えしているのですが、そのことについて少しお話しますね。

新学年・新学期は子ども自身がプレッシャーを感じている場合も

わたしが不登校だった時、新学年や新学期になる時期はいつも憂うつでした。周り(特に両親と先生)からの「次の学年・学期からは学校に行けるんじゃないか」という期待に押しつぶされそうになっていたからです。

学年や学期が切り替わる直前には、春休みや夏休みといった長期休みがありますよね。だからつい「これだけ休んだから、学校に戻る元気もたまったはず」と考えがちなのです。

しかし、それはまったくの間違い。

学校に戻る、つまり外に出るエネルギーは、身体を休めれば回復するものではありません。きちんと心と身体の休息ができてはじめて回復するものなのです。

長期休み中は、昼間に子どもの声が聞こえたり、同級生と顔を合わせやすくなったりして、かえってストレスが高まるケースもあります。

新学年・新学期の時期だからといって、必ずしも生活を変えるのに良いタイミングだとは限りません。

タイミングは、子ども自身が決めることが大切

学校に復帰するにせよ別の方法をとるにせよ、タイミングは子ども自身が決めてください。

「まずは1日行ってみる」でもいいし、「今日から毎日登校してみる」でもいいです。途中で帰ってもいいです。楽しければ丸一日過ごしたっていいです。やっぱり合わないと思ったら「やっぱりやめる」でいいです。

自分自身で決めることに意味があります。自分で決めるからこそ、頑張ってみようと思えるし、目標が達成できたときに嬉しいんです。自分を認められるんです。

その時立てる目標や計画は、大人から見ると少し拙いものかもしれません。けれど、できる限りそのまま進んでください。失敗や成功を繰り返して、子どもは大きくなっていくのですから。

まとめ

最後に、本コラムの内容をまとめたいと思います。

◆不登校からの再登校についてのまとめ
  • 再登校の第一歩は、本人の負担軽減
  • いきなり完璧を目指そうとせずに段階的に復帰していくのがオススメ
  • 年度の切り替わりなどにこだわる必要はなし。復帰のタイミングは本人が決めること
  • スムーズに復帰できないのは不自然なことではないので、「できたらラッキー」くらいの気持ちでOK

繰り返しになりますが、なにより大切なのは子ども本人の意思です。学校に戻るかどうか以外にも、できるだけ本人の意思を尊重しながら決めていけると良いですね。

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