【インタビュー】フリースクール「シン・ガッコウ Schorbit」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回はオンライン(Zoom等)でフリースクールを開催している「シン・ガッコウ Schorbit」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

こんにちは、伊藤と申します。

2026年よりサービス開始するシン・ガッコウ Schorbitという高校年代向けのオンラインフリースクールの代表を務めています。元々は高校教員を長くやっておりました。本日はよろしくお願いします。

シン・ガッコウ Schorbitはどのようなフリースクールですか

“オンラインで進学校をシミュレート”をコンセプトにしています。

通信制高校は単位が修得しやすくなっている、卒業しやすい一方で、進路が決まらないまま卒業してしまう生徒も少なくありません。そこで私たちは、オンラインでも進学校と同等の学習環境とコミュニティを提供し、大学など次のステージへつなぐことを目指しています。

とりわけオンライン進学校を標榜していますので、可能な限り難関大学への合格を目指していきます。

しかし、シン・ガッコウ Schorbitは大人が子どもを引っ張っていくという形のサービスではありません。私たちが考える学校とは、子どもたちが成長する「場」のことです。勉強を教えるサービスではなく、全日制の進学校に近い学習コミュニティを運営するサービスです。コミュニティへの参加は全国どこからでも可能ですし、無料です

もう少し補足しますと、通信制高校や高校中退者が大学入試を目指すとき、一番の問題は孤立していることです。身近に大学受験に向けてがんばっている人がいないため、自分のやる気が維持できないのです。

私たちは、ここに課題を見出しました。

孤立した状態を解消するために、オンラインでそうした生徒をつなげて学習に向かうコミュニティづくりをすることにしたのです。仲間と毎日励まし合いながら大学受験に挑戦する。進学校に通う生徒にとって当たり前の環境ですが、それをオンラインで再現する。

それがシン・ガッコウ Schorbitです。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

様々ありますが、思い付きで一つだけ話します。

全日制高校で教員をしてきた中で、不登校になる生徒を多くみてきました。そこで悲しかったのは、不登校になると「学校に通えなくなったから進路も狭まってしまった」と考えてしまうことです。本人も、保護者もです。

不登校になったり、高校を辞めてしまったりすることは、誰にでも起こり得ることですし、毎日学校に通うことも通わないことも人生という長いスパンでみれば大きな問題ではありません。問題は、学びをやめてしまうことや、自信や野心を失ってしまうこと。つまり、自ら希望していた進路を諦めてしまうことです。

実際、不登校になって通信制高校に転学していく生徒の多くは、自分は「もう負けてしまった」と思い込み、ひどく自尊心が傷ついているように見えます。それも無理もないことでしょう。

ですが、本当にそうでしょうか。

実は学校に通えなくなったとしても、人生の選択肢という意味ではそれほど狭まっていません。高校をやめても高卒認定試験はありますし、勉強はどこだってできます。突き放した言い方になってしまいますが、「もう負けてしまった」というのは思い込みなんです

私は、そこからもう一度、その子たちが自分の人生を組み立て直すサポートがしたいと思ったんです。毎日通学する学校に合わなかった程度のことで、未来まで閉ざされる必要はありません。

そのような思いからシン・ガッコウ Schorbitを立ち上げました。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

ええと、現在は開校準備を進めている段階なので、大きなことは言えません。

それでも最近、保護者や生徒からご相談をいただくことがあり、必要としてくださる方がいる実感があります。「話し相手になってくれただけでも安心しました」と言っていただけると、力になれたかなと感じます。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

先ほども述べたように、まだ準備段階なのですが、先日、通信制高校から大学進学を目指している生徒数名に話を聞きました。

何より印象に残ったのはその人間性です。想像以上に皆とてもまじめで、自分のペースながら努力を続けている尊敬できる子ばかり。世間が不登校の子どもにあてはめがちな、「幼く感じる」といった印象は皆無でした

率直に、こうした子どもたちが難関大学の門をくぐり、その後、社会に出て活躍していってほしい、それが世の中のためにもなると思いました。

同時に、こうした子どもたちの姿に触れて、今の世の中にシン・ガッコウ Schorbitのサービスが必要とされていることを確信しました。つまり、オンラインで、きちんと学びの質を保ったコミュニティがあることの重要性ですね。実をいうと、先ほど申し上げた孤立しているというのも、私の意見ではなくこの生徒たちが話していたことです。

これからどのような場所にしていきたいですか?

シン・ガッコウ Schorbitは、通信制高校生や高校中退者が各々の進路実現に向けて切磋琢磨する場所です。

そうは言っても、受験予備校ではありません。つまり、各自が机に向かってガリガリやっているということではなくて、どっちかというと、活発な人的交流があふれる空間にしたいです。

不登校の子どもって話したがっていることが多いですよね。日頃あんまり話をしていない子も多いですから、いろんな人と話すきっかけをうまく作っていけたらいいなと思っています。それに、他人と話す時間は進路実現に不可欠だとも考えています。

ノイズを一切遮断して赤本をずっと開いているみたいなのは、受験数カ月前からで十分だと思っています。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

18才での進路は、不登校の子どもにとってラスボスに近い存在(最後にして最大の壁)だと思います。終わり良ければ総て良しといいますが、ここをどう乗り越えるかが最も重要だと考えています。

事実、これまでも長い間、お子さんが学校に行けないことで、多大なご心配やご苦労があったかと思います。その中で、ここまで育ててこられたこと自体がすでに立派な前進です。そして、もうゴールは見えてきています。

大人になってしまえば、不登校という言葉に振り回されることもなくなります。あとはもう、この進路というラスボスをうまく乗り切るだけです。

では、どう乗り越えるのか。

特別なことではなく、毎日少しでも前に進むことです。調子が悪い日があってもいいし、ゆっくりでも構いません。小さな動きでも、積み重なれば確実に未来につながります。

ただ、孤立していると頑張り切るのが難しいのです。目標を共有できる仲間や、相談できる大人がそばにいることで踏み出せる一歩が増えていきます。

シン・ガッコウ Schorbitでは、そのためのオンラインコミュニティを運営しています。手取り足取りではありませんが、進路を一緒に考えられる仲間と環境があります。まずは無料で参加できますので、安心してお声がけください。

もし困っていることがあれば、遠慮なく相談してください。
状況を一緒に整理して、次の一手を考えていきましょう。
厳しい場面もありますが、正しく準備すれば進路の壁は越えられます。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「シン・ガッコウ Schorbit」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/99847
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