未来地図で考えた「不登校の子どもの回復の段階」に沿った本を、わたしが個人的にお勧めするコラムです。今回は少し回復に差し掛かった、「ぬくぬく期」について。
その前に、「ココロの花が咲き始めるまでえの5段階」を貼っておきますね。
- ごつごつ…荒れた畑を少しずつ耕して栄養を…。
- ぬくぬく…落ち着いた場所で大切にココロを暖める
- むくむく…何かが動き始めるよ
- ぐんぐん…少しずつ?一気に? 実際に行動
- きらきら…自分らしい花が咲き始めます
コラム:ココロの花を咲かせましょ
混乱した「ごつごつ期」が通り過ぎると、「ぬくぬく期」に突入します。ただ、この時期は一見元気なように見えるから、「いつまで見守ればいいの?」と先の見えなさに不安になったり、「甘えてサボっているだけではないんだろうか」と疑心暗鬼になったり、果ては笑っているお子さんにイライラしたりと、親のココロの中は、必ずしもこの言葉のように「ぬくぬく」していないことも多いかと思います。
とはいえ、一見元気そうに見える子どもも、まだココロのエネルギーは溜まっていない状態です。そのため特に動きもなく、親としてサポートできることは「衣食住の確保」くらいだとも言われています。
どうせできることがないに近いのだから、この時期は、ママやパパ自身の生きづらさや、今までの価値観を見つめ直すことに費やすことをお勧めします。
また、一見楽しそうに見えるお子さんの、本当のココロの中をうかがい知るためにも、やはり経験者の話は引き続き触れてみることもお勧めです。
だからわたしがこの時期にお勧めするのは、
- 自分自身の心を整えるヒント
- 不登校経験者が当時のことを語ってくれているもの
です。
学校へ行けない僕と9人の先生/棚園正一(著)
不登校経験者の方が、当時のことを赤裸々に書いてくれています。
漫画になっているので、文字を読むのがしんどい時でも、比較的読みやすいと思います。
学校に行けない自分をどう思っていたのか、
朝になると訪れる頭痛や幻覚、
それを言葉で表現できないから、理解できずに困惑する両親の顔など、
とても秀逸な描かれ方をされています。
子どものココロの中の動きは、もしかしたら自分の想像を違うかもということに、気がつくきっかけになるかもしれません。
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本/武田友紀(著)
不登校のお子さんはもちろんですが、実はそのお母さん、あるいはお父さんにも、繊細な気質を持つ方は多いと感じます。
自分の気質に気がついてラクになるには、自分が受けている感覚が、人より鋭敏であることを知ることも大事です。
そうして対策を立てたり、メンタルの整え方を知ったりすることで、自分の生き方がラクになることがあります。
子どもの気分に振り回されてしまう方にもオススメです。
繊細じゃない場合には、繊細な人や子どものココロの中を知るヒントになると思います。
うつヌケ/田中圭一(著)
うつ状態のお子さんを見て、「うつ病じゃないかな?」と、不安な気持ちになっていませんか?
また、ご自身もしんどくなり、病院などで「適応障害」の診断をもらって、不安になっていませんか?
うつ病は、言葉だけが先行しているので、その病名だけを聞いて、不安になってしまうことも多いと思います。まさにわたし自身が、うつ病の診断を受けた時にそのような状態でした。
この本には、うつ病を戦うものとしてではなく、自分のしんどい価値観を変えて、うつ病と二人三脚で歩いていくヒントが書かれています。
文章ではなく漫画なので、文字を読むのがしんどい方にも読みやすいと思います。
ゆう/夕/
文字を読むのがまだしんどい、という方へ。美しい写真集はいかがでしょうか。
夕焼けや、夕焼け後の少し暗くなった美しい風景が綴られています。
左から読むと写真に合わせた絵本、右から読むと詩集となっていて、どちらからでも、ご自分の状態に合わせて楽しむことができます。
谷川俊太郎さんの美し言葉も、モノクロになってしまったココロに優しく寄り添ってくれるのではないでしょうか。
くじけないで/柴田トヨ(著)
ココロがささくれだっている時や不安な時は、ちょっとした言葉などにも敏感になり、素直に受け止められなくなることがあります。
物語や詩にも、「そんなの言われなくたって・・・」と思ってしまうことって、ありませんか?
そんな方は、ぜひこの本を手にとってみてください。
90歳を超えたおばあちゃんの詩集です。
自分たちの親世代や、少し上くらいの方からの言葉だったら反発を感じるかもしれないですが、90歳以上なのである意味「天の声」のように聞こえて、すっと心に入ってくるのではないかなと思います。
<おまけ>
絵本を読むと「天職」が見つかる/中越 裕史(著)
「5選」と書きながら、6冊目を紹介することをお許しください。笑
こちらは転職に関する本なのですが、仕事の事以上に自分のココロの中にある思い込みや、しんどくなっている思考を整えていく内容となっています。
「え?!その絵本って、本当にそんな設定なの!?」という気持ちはなくはないですが(笑)、そこは置いといて、自分を見つめるきっかけとしてみてください。
普通の枠を壊したい人、いい子を演じていて苦しい人にオススメです。
いかがでしたか?
今回は、「ぬくぬく期」にオススメの本をご紹介しました。
子どもはぬくぬくしているけれど、親は決してそんな気持ちになれない、この時期。ぬくぬくできない原因はなにか、思考の癖はなにかを見つけて、ふわっと生きるきっかけに少しでもなれば、嬉しく思います。
「みんなの本棚」では、他のスタッフからのオススメ本もご紹介しています。
わたしも全てを読んでいるわけではないので、ここではどうしても自分が読んだ本を中心のご案内になっています。もし興味が出れば、他のスタッフからのオススメ本も、ご覧になってみてくださいね。
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