【インタビュー】フリースクール「大地の学校ロータス」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は愛知県でフリースクールを開催している「大地の学校ロータス」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

はじめまして、今井真央と申します。

1989年東京生まれ、国立市育ち。2児のパパです。2018年4月に乳幼児を自然の中でのびのび育てる森のようちえん サマーブルーというボランティア団体を作りました。そして大手製薬会社を脱サラし、2020年4月に愛知県岡崎市で大地の学校ロータスというフリースクール民間学校)を立ち上げました。

そんな僕の最終目標は「日本の教育を変える」こと。教育というか、日々子ども達が輝ける社会を創ることが僕の使命だと思っています。

なぜ薬売りが急に教育を語り出し、小さい子ども2人もいるのに脱サラしちゃったのか?

 

そこを説明します。

 

子どもの頃から、ずっとやんちゃに育ってしまいました。中学の時は警察にも三度ほどお世話になり、自暴自棄に暴れておりました。

そんな僕を救ってくれたのが「アメリカンフットボール」でした。鈍足・小柄・運動音痴の僕は死にもの狂いで練習し、高校の関東大会決勝でMVP になりました。自信がついただけでなく、アホな僕はちょっと天狗になってました.

そしたら大学アメフトでボコボコにされ、精神を病みました。毎日本気で「死にたい」と思ってました。心身共に限界だったので、スポーツ推薦で入学したアメフト部を辞める決意をしました。親に相談しましたが猛反対され、僕はその日からひきこもり&不登校になり部屋から一歩も出れなくなりました。

 

その時、僕の恩師からもらった一言で人生を立ち直すことが出来たんです。

 

 

「大丈夫だよ、アメフト辞めても。お前はお前のままだから」

 

 

その言葉は、全ての活動理念にもなっています。僕の人生を救ってくれた言葉です。

この言葉を、今自分に自信が持てない子ども達に伝えてあげたい。テストで評価され、他人と比べられ、SNS で他人の目ばかり気にしてる子ども達に「あなたのままでいいんだよ」と言ってあげたい。そう思うようになりました。

ちょうどその頃、情熱大陸で沖縄にある「よみたん自然学校」の特集を見て「これだ!」と思いました。

教育のあり方を変える”

一方的に教わる教育ではなく、自分のやりたいことを自分で探し、自ら学ぶ教育。これこそが他人に左右されず自分らしく生きられる人間を育てられるんだ!!と確信しました。

それには公立学校という1つの選択肢だけじゃなく、様々な教育を自由に選択できる世の中にする必要がありました。だから僕はまず新しい教育のカタチ、今までに無い「子どもを真ん中」とした学校を創り、社会を変えようとしたんです。

しかし、親父の会社が倒産し多額の借金を抱えてトンズラします。僕は夢を追ってる場合じゃなくなります。

アメフト部を辞めてスポーツジムのインストラクターのバイトをしてお金を稼ぎました。自分で稼いだお金を全て学費に回し、なんとか卒業しました。その頃にはすっかり“夢よりも現実” “冒険より安定”という価値観に変わっていました。

そして大手製薬会社にご縁があって入社し、MR (医薬品情報提供者)として薬売りをしました。確かにお給料はとても良く、安定した暮らしが出来ました。結婚して、子どもも産まれ、順風満帆のように思えました。

 

しかし次第に責任は重くなり、仕事と家庭のバランスが保てなくなりました。

夜遅くに帰り、朝早くに出る。奥さんのワンオペ育児で家族の会話は少なくなってしまいました。「家族のために仕事をしているのに、家族がどんどん離れていく」まさにそんな状態でした。

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ある日たまたま幼なじみが近くに引っ越して来て、久しぶりに会うことになりました。学生時代、僕らは互いに夢を語り合い、情熱に満ち溢れていました。

その親友とお互いの近況を話しました。

 

「お前、学校創る夢どうなったの?あの夢好きだったんだけどなぁ」

 

そう言われ、僕はビクっとしました。

つらつらとダサい言い訳をしました。

「もう家族がいるからさ…」

「夢とか言ってらんないしさ…」

言ってる自分がみっともありませんでした。それから何度も自問自答を繰り返しました。子どもの顔を見て、自分を無理矢理納得させようともしました。

 

でも、そんな格好悪い自分をこれから先何十年と自分の息子に見せると思うと、僕の中の何かが弾けました。

 

その瞬間から脱サラを決意し、あれよあれよという間に、今に至ります。

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僕は「大地の学校ロータス」を通して日本の教育を変えます。

世間が問題児だと勘違いしている子どもと一緒に、世の中の常識をひっくり返しにいきます。

大地の学校ロータスはどのようなフリースクールですか

大地の学校ロータス岡崎市竜泉寺町にある古民家をリノベーションして創った学校(フリースクール)です。

施設の内部はこちら!↓

https://www.youtube.com/watch?v=UEQxc93DZSI

約250平米の巨大なお屋敷が子ども達が毎日通う学校です。学校なんだけどちょっと変わってます

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トランポリンだってあるし

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ガチな卓球台もあります。

そして最大の特徴は“子ども達が創りあげる学校”だということ。
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目の前には大きなお庭があります。

「ここに池を作ろう!!」と言い出した子ども達がバケツリレーで急遽池作りを始めます笑

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他にも使われていなかった廃材を使って、自分達でベンチも作っちゃいます。

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キッチンだって自分達の手でペンキを塗りますし

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お庭の木がモジャモジャだったらバッサバッサと切り倒して綺麗にしていきます。

加えて地域のボランティアの方々が一同に手伝って下さいました。そうして出来上がったのが大地の学校ロータスです。

 

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

僕は子どもの頃からじっとしているのがとても苦手でした。

大人が言うことにも素直に従うことができず、「右を向け」と言われたら左を向くような子どもでした。

もちろん勉強も大嫌いで、中学3年生までほとんど真面目にやっていませんでした。運動も勉強も出来ない、テストの順位は常に下から数えた方が早い。それは大人になって大手製薬会社の営業マンになってからも同じでした。

常に人と比べられて、数値化されて、順位をつけられる。僕のような人間にとっては、それはとても生きづらいものでした。

そんな社会に嫌気がさして、メンタルを病んでしまいました。

 

 

〝自分は何のために生まれてきたんだろう…〟

 

そう考えたら、「教育」という二文字が頭に浮かびました。

教育を変えたら自分みたいな子でも生きやすくなるかもしれない。

そう考え、フリースクールを創りました。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

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大人目線ではなく、ロータスの子ども達の方がロータスのことをちゃんと話してくれるのでインタビュー形式でお願いすることにしました(^_^)

 

忖度無し、サクラ無しのぶっちゃけたところを話してもらってます。

 

僕「ロータスってどんなところ?」

 

 

中2男子「天国だよ!毎日虫やカエル探しに行ける✨蛇食わせてくれるフリースクールなんてここしかないでしょ笑」

 

小3女子「みんながいつも笑ってる!マスクも自由だから苦しかったらしなくていいからね」

 

小6男子「自由自在!笑 何やっててもいいし、ごはんいつ食べてもいい!ゲームもできるしね」等々

 

みんな嬉しそうに長々お話してくれます(^_^)

どんな立派なスライドや動画を作って説明しても、通っている本人(子ども達)の意見が全てです。

 

ぶっちゃけまだロータス耐性のついてない見学のお母さん達に「蛇食える!ザリガニ美味しい!」と嬉々としながら話しちゃうのは困りますが😅まぁそれも実際やっているので嘘はつけません。

 

どれだけ生徒が増えても

1人1人大切な子どもです。

 

見届ける姿勢は変わりません。

気になった方はいつでも遊びに来て下さいね♪

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

ロータスを始めてからずっと思っていることがあります。

 

 

自分がロータスを通じて、子ども達に一番伝えたいことは何だろう?と

 

モットーは

「自分で考え、自分で行動すること」です。

これは全ての活動の指針であり、原点です。

最近それとは別のメッセージを伝えたいことがわかりました。

 

それは

「君たちは世界に愛されている」

ということです。

 

ロータスには多種多様なボランティアさん達が来てくれます。高校生のインターン生や、大学生ボランティア。農家さんにダイビングのインストラクターさん等など

 

お金や時間に関わらず、子ども達に好意で関わってくれる人達が本当に沢山います。

 

それってめちゃくちゃ有り難いことです。

でもよく大人達が言う「みんなちゃんとお礼言えよ!失礼のないように!」とかじゃなくて

僕達が伝えたいのは

 

 

“大切にされるだけの資格が、君たちにはある”

 

ってことなんです。

生きてるだけで、存在しているだけで

周りから愛されていい。

 

今まで君たちを傷つけてきた人達もいるかもしれない。同じ大人として本当に申し訳ない。

 

でも

 

でもね。

 

仕事の合間に顔を出してくれる人がいる。

みんなのためにお菓子や果物を差し入れしてくれる人がいる。

休日なのに一緒に汗をかいてくれる人がいる。

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世界はこんなにも愛に溢れているんだよ。

 

 

辛いこともあったかもしれないけど、一歩外に出たらそういう世界もあるんだ。

みんなを無条件で愛してくれる人達もいるってことを知ってくれたら嬉しい。

 

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今はわからなくてもいい。

みんなが大人になった時に、“あぁ昔こんな人達に沢山遊んでもらったよなぁ”ってふと思い出してくれたらそんなに嬉しいことはないよ。

 

 

そしてそう感じたら、自分の子どもに、周りの子ども達に、同じように愛を与えてほしい。そうやって一人ひとりが愛を循環させていったら、この世の中はもっともっと素敵になると思うんだ。

 

 

これは綺麗事かもしれません。

でも真実でもあります。

 

みんなわかってくれたら、嬉しいなぁ(*^^*)

 

これからどのような場所にしていきたいですか?

夢だった学校は創れたので、次は村作りです。

何故この令和の時代に“村”なのか?

 

そこんとこをお話します。

まず僕は「日本の教育を変える」というのが生きる目的です。

 

保育園、幼稚園を上がったら子どもの希望に関係なく住んでる学区の公立学校に行き、それが合わないと「不登校」なんて言われて問題視されます。環境に合う子が通常で、合わない子が特別であり異常。そんな教育制度を変えたかった。

 

だから子どもが学校に合わせるのではなく、子どもに合わせた学校を創りたいと考えました。

 

そこで既存の教育以外の選択肢として「大地の学校ロータス」というフリースクールを立ち上げました。沢山苦労しましたが、おかげさまで毎日元気に子ども達が通ってます。

 

有り難いことに入学する子も絶えませんが、そろそろ卒業する子も出てきます。僕は学校創りだけではなく、その卒業生達が生きやすいと思える社会を創る必要があることに気付きました。

 

今の社会は資本主義です。結局どんな素晴らしい個性がある子でも最後は“稼げるか、稼げないか”が問題になってしまいます。

 

子ども達の個性の中には

すぐに社会に必要とされる分野(動画編集やIT関係など)もあれば、世の中が価値に気付くまでに非常に時間がかかる分野(芸術や音楽など)もあります。進路相談で親が反対する場合のほとんどはその子が“稼げない分野”を目指しているからです。

 

役に立つ個性(稼げる人)は存在価値が高い。

役に立たない個性(稼げない人)は存在価値が低い。

 

どうしても資本主義に則って生き方を判断すると、この問題にぶち当たります。

 

でも本来どんな人間でも生きてていい。存在することに価値があると僕は考えています。花は誰かのために咲いてるわけではないけれど、見る人を癒やす力がある。人も花も、生き物としての本質は変わりません。

 

 

だからこそ、僕はこの資本主義に風穴を開けたい。

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弱肉強食ではなく、共存共栄。

権力者が仕組みを創るピラミッド構造の社会では、底辺の人達は生きづらい。かといって共産主義のように、みんな一律で平等にしようとすれば「働かない人が得をする」という構図になってしまいます。

 

だからこそ平等ではなく、公平な自立分散型社会を創る。人と人とが足りない部分を補い合い、個性を発揮して自立しながらも助け合うコミュニティを創ろうという考えに至りました。

 

資本主義を根本から否定するわけではありません。経済を回し、市場を拡大してきたからこそ僕達の生活が豊かになったのも事実です。でも資本主義が生み出した目に見える価値の裏側には、沢山の人達の精神疾患や環境汚染が存在します。僕も製薬会社の営業マンとして資本社会のど真ん中で生きてきたからこそ、良い面だけではないことを学びました。

 

だから資本主義以外の新しい生き方を証明したいだけなんです。

 

完全に資本主義から抜け出すのは僕が生きてる内には難しそうなので20〜30年くらいかけて半資本主義、半自給自足のスタイルを目指す予定です。

 

そのために山を購入し、開拓して自然と共存しながら生きていく村を創ろうと仲間達と動いています。村を創る過程もシェアしながら、「こんな生き方もありなんだ!」と子ども達に見せていけたら嬉しいです(^^)

 

同じ想いの方がいたら一緒にやりませんか?

政治や制度が変わるのを待ってても、何も変わりません。自分達でやれることを、自分達の手が届く範囲の社会を創りたいんです。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

良いママやパパでいなきゃ

ちゃんとご飯作らなきゃ

いつも笑顔でいなきゃ

 

なんでこんなに出来ないんだろう

本当は受け止めてあげなきゃいけないのにイライラするんだろう

子どもを立派に育てなきゃ

 

 

 

全ての優しすぎるお母さん、お父さん達へ

 

 

もう無理に優しくあろうとしなくていいです。

 

ちゃんとしなくていいんです。

 

今まで散々自分の本当の心に蓋をしてきたと思います。

 

いつも自分を後回しにして、意見を押し殺して我慢して我慢して我慢し続けてしまった。

 

 

パートナーを立てるため

子どもや家族を守るため

周りが幸せでいて欲しいから

 

 

毎日小さく諦める。

本当は言いたいことを、ぐっと飲み込む。

 

 

そうやって今まで自分を常に後回しにしないといけない、って教え込まれてきたから。

 

そうしてきたんだと思います。

 

 

 

 

でもね

自分の心に嘘をつき続けると生きるのがしんどくなります。

 

 

 

 

“自分以外の誰か”の仮面を被り続けると、本当の自分の顔を忘れてしまいます。そんなのって悲し過ぎます。

 

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あなたはあなたのままで完璧です。

 

 

スッピンで堂々と歩いていい。

人はそうやって生きてる人を単なる「ワガママ」とか「変わり者」って言って後ろ指さしてきます。

 

でも

 

後ろ指さされるのは、あなたが前にいるからです

 

 

例え全て投げ出しても、あなたを好きでいてくれる人は必ずいる。理解してくれる人は絶対にいるんです。

 

だからもう一度胸に手をあてて

本当の自分の声を聞いてあげて下さい。

 

 

 

“本当は誰といたい?”

“本当はどう生きたい?”

 

 

僕はいつだって自分の心に嘘つかない人の味方です。正しいとか、間違ってるとかじゃなく。あなたが今の生き方に心底しっくりきてるか、きてないか。それだけで判断して下さい。もし迷いがあるならいくらでも後押しします。

 

覚悟があれば人生いつからでも再スタートがきれる。現状維持と保身だけの人生なんてつまらないでしょ?

 

 

一度きりの人生だから、一緒に楽しみましょ^_^

 

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「大地の学校ロータス」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/11927
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