
フリースクールインタビュー企画!
今回は全国各地でフリースクールを開催している「小さなおうちの学校」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。
まずは自己紹介をお願いします
ふみこさん(ふみコーンさん・隊長・ティーチャー・先生)
20年ほど学校で勤め、特別支援や探求学習を専門に学んできました。(中・高校の免許は国語です。)
しかし、長男の子育てをするにあたり、「枠にはまらない子の教育」という壁にぶつかりました。
「学校って何だろう?」葛藤の末、自分自身も学校に行けなくなりました。
少しずつ変わっていく学校の中で、「未来の公立学校はきっとすてきになっていく」と、信じて勤務を続ける日々…
でも心の中では、日々の業務と、夢見る教育とのギャップで苦しくもがいていました。
その後、復職しましたが、今度は長男も学校に行かなくなりました。
小学1年生のわが子を留守番させて、自分は学校で働く日々。一度学校を離れようと思いました。
いま保護者の皆様の気もちがわかるのは、型にはまらない長男を育ててきた経験と、学校での特別支援の経験、先生として学校に行けなくなった経験、つらかったけれど、それらがあるからだと思います。
小さなおうちの学校はどのようなフリースクールですか
おうちみたい。おうちよりちょっと外に出た学びの場です。
駅近・都会のマンションの一室にありますが、多摩川の土手もお店も、すべてが私たちの学校だなと思っています。
大きな体育館もありませんが、雨の日には地域の遊戯室をお借りしています。図書室はないけれど、図書館。校庭はないけど公園があります。
不登校から抜け出して、おうちを出た子が、街全体が学びの場と思ってくれるといいなと思っています。
フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください
「未来の公立学校はきっとすてきになっていく」と信じ、学校勤務を続けていましたが…日増しに、「未来まで待てないな。我が子も、周りの子たちもどんどん育っていってしまう。」という危機感ももつようになりました。
また、「学校に合わないというだけで、学ぶ機会が奪われてしまう子たちをどうにかしたいい…。」
という思い(はがゆさ?)が強くなっていました。
どんな子が集まるのか?本当に子どもたちが集まるのか?
まったく予想もつかないまま、自宅にてスクールを立ち上げました。オープン時に考えていたのは次のようなイメージです。
個性(持って生まれた個性を大切にすること。つぶさない。強いところを隠さない。オールマイティーじゃなくていい。凸凹がいい。凸凹多め。でも、皆のパワーを集めると、どんな学校にも負けないパワーになる。そんな学校にしたい。)
こころ(みんな一緒を無理強いしない。一人一人違う。教えられる道徳性ではなく、共生していくうえで積み重ねていく道徳性。心の技能を身につけていく。アンガーマネージメント。実行機能のアップ。SST。心・脳をきたえていく。)
思い付きをメモしたものですが、今でも大事にできている気がしています。
実際に設立してみてどんなことを感じましたか?
設立をした当初は、学校の枠にとらわれないパワフルな子が通ってくれるのかな?と考えていました。
しかし、今来てくれているのは優しい感じの子が多いです。
少人数の自宅型のフリースクールということで、静かな場所を好む子が集まってくれるのかなあと思っています。
運営していて印象に残っていることがあれば教えてください
スクールに通っている子が学校にもどるときに、一番心揺さぶられます。
残っている子たちと一緒に、「さみしくなるなあ」という気持ちと、「頑張ってね」という気持ちで送り出します。
学校に戻りたい子は、勇気を出していろんな経験をしてほしいなと思っています。
そして、また困ることがあったら、誰かに助けを求めてほしいなと思って見送ります。
これからどのような場所にしていきたいですか?
今までのように、「みんなでつくる学校」であってほしいです。
わたしのおうちに来てくれた1人目の子。
すてきなその子の周りに集まってきた2人目、3人目のすてきな子。
1人ひとりに合わせて、みんなで化学反応を起こしながら今のスクールになりました。
学校に戻った子たちも含め、全員がいたからこそできたスクールです。時間割も、取り組む教科も、内容も、みんなで考えてきました。今では、中身のある、立派な学びの場になりました。
親御さんの思いにも支えられています。感謝の気持ちでいっぱいです。
「おうち学校」「フリスク」「フリースクール」「おうちの学校」「小さなおうち」いろんな名前で呼ばれていますが、誰が決めるのでもない、そんな場所がいいなと思っています。
わたしが「ふみコーンさん」「隊長」「ティーチャー」いろんな名前で呼ばれているように。
最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!
フリースクールを運営していて、親御さんの不安が拭えれば、お子さんも元気になるということがわかりました。
だからこそ、難しいけれど、親御さんが「大丈夫」の気持ちをもつことが大事なのだと思います。(自分自身にも、そう言い聞かせています。)
もし、お子さんがおうちの中で元気に活動できるようになったり、少し外出できるようになったら。
あるいはオンラインの塾に慣れてきたら、フリースクールもあるよ(おうちっぽいフリースクールもあるよ)と、教えてあげてください。
――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。
- ◆フリースクール「小さなおうちの学校」の詳細はこちら
- https://miraitizu.com/freeschool/67324
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