【インタビュー】フリースクール「オルタナティブスクールKAKERU」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は福岡県でフリースクールを開催している「オルタナティブスクールKAKERU」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

私は、オルタナティブスクールKAKERUを運営している富岡真史です。

KAKERUは、長年保育士として子どもたちと関わってきた妻のマイと一緒に運営しています。

 

私は子どもたちの「挑戦する力」を大切にしています。

小さな挑戦を重ねることで、子どもたちは少しずつ自信を取り戻していくと感じているからです。

 

一方で妻のマイは、子どもたちが安心して過ごせる空間をつくる存在です。

場を和ませ、笑顔を引き出し、子どもたちが自然体でいられる雰囲気をつくってくれています。

 

KAKERUではまず安心できる関係が生まれ、その中で少しずつ挑戦が生まれていきます。

 

また、最初の保護者の方とのやりとりは主にマイが担当しています。

保護者の方が安心して相談できる窓口として、丁寧に関わらせていただいています。

 

私たちは、それぞれの役割を活かしながら、子どもたちが安心して挑戦できる環境をつくっています。

オルタナティブスクールKAKERUはどのようなフリースクールですか

自信を失いかけた子どもたちが、もう一度「やってみよう!」と思える場所。

 

KAKERUは、揺れながらも小さな挑戦を重ね、自分に戻れる力が育つ学び舎です。

 

海遊び、SUP、山遊び、釣り、乗馬など、自然の中で体を動かす体験を通して、子どもたちは少しずつ心を開いていきます。

 

例えば夏は、海に行って一緒に泳いだり、SUPに乗ったり、海に飛び込んだりします。

最初は緊張していた子どもでも、帰る頃には表情が全く違っていることもよくあります。

 

KAKERUでは子どもたち一人ひとりと向き合うことを大切にしています。

最初は大人がきっかけをつくりながら、子ども同士の関係が少しずつ生まれていきます。

 

また、フリーマーケットを開いたり、夏には海の家を運営したりと、社会とつながる体験も行っています。

 

地域の方々との交流も大切にしており、漁師さんに子どもたちが自分で連絡をとり船釣り体験をさせてもらうこともあります。

終わった後には、自分たちでお礼の手紙を届けに行きます。

 

中には、片道2時間掛けて電車とバスを乗り継いで通ってくる子や、県外から通ってきている子もいます。

それぞれのペースで小さな挑戦を重ねながら、子どもたちは少しずつ自信を取り戻していきます。

 

そしてできるようになった子が次の子の背中を押す。

そんな、挑戦が循環するフリースクールです。

 

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

私自身、子どもの頃に寂しさを感じながら過ごしていた時期がありました。

 

だからこそ、関わる子どもたちには「寂しい場所」ではなく「楽しい場所だった」と思ってもらえる場所をつくりたいと思っています。

 

子どもたちと関わる中で感じたのは、多くの子どもが「できない経験」を重ねることで、自信を失ってしまっているということでした。

 

本当は力を持っているのに「自分はダメなんだ」と思い込んでしまい、挑戦することが怖くなってしまう。そんな子どもたちをたくさん見てきました。

 

しかし、自然の中で体を動かしたり、小さな挑戦を重ねたりする中で、子どもたちは少しずつ変わっていきます。

 

できなかったことができるようになる。

その小さな成功体験が、子どもたちの自信を取り戻していくのだと感じました。

 

KAKERUでは、子どもたちがワクワクする体験の中で小さな挑戦を重ねていきます。

挑戦するからワクワクに出会い、ワクワクしているからまた挑戦できる。

 

その積み重ねが、子どもたちの自信に繋がっていくと信じています。

 

子どもたちが将来「KAKERUは楽しかった」そう思ってくれる場所を作りたい。

 

その想いから、オルタナティブスクールKAKERUを立ち上げました。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

実際にKAKERUを始めてみて感じているのは、本当にたくさんの人に助けてもらっているということです。

 

場所を探している時にも力をかしてくれる人がいて、KAKERUを始める前までの過程でも多くの方に支えていただきました。

 

また、活動が始まってからも地域の方々が協力してくださり、さまざまな形で支えていただいています。

 

さらに、保護者の方々や子どもたちの存在にも日々助けられています。

 

ボランティアで関わってくれている方もいて、食事を作ってくれたり、子どもたちと関わってくれたりと、たくさんの人がこの場所を一緒につくってくれています。

 

KAKERUは自分一人でつくっている場所ではなく、本当に多くの方に支えられてできている場所なんだと感じています。

 

そして、誰かに応援してもらえたり、助けてもらえることが、こんなにも嬉しいことなんだと実感しています。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

一人の男の子との出会いが、今でも強く印象に残っています。

 

彼は毎朝泣いていました。学校にも、近所の公園にも行けなくなってしまっていたからです。

 

お母さんが毎朝車で送っていきてくれていましたが、車から降りられない日が何度もありました。

 

なぜだかわからないけれど、彼の痛みがわかった気がしました。

 

ある日、彼をSUPに乗せて海へ漕ぎ出しました。

 

膝立ちで漕ぐ自分の方に触れている彼の手のひらから、ワクワクしているのが伝わってきたのを覚えています。

 

公立の学校なら「SUPしてきます」は許されないのかもしれません。でもKAKERUでは、正しいとか間違いとかよりも、その子にとって必要なことを大切にしています。

 

SUPの次の日から、彼は車から降りられるようになりました。

少しずつみんなの輪の中に入り、笑う姿が増えていきました。

そして彼は学校に戻ることを決めました。

 

それから半年後、お母さんからLINEが届きました。

「生徒会長に立候補し受かって、今は生徒会長をやっています。学校が終わったら公園で友達と遊んでいます。」

 

しばらくして久しぶりに彼に会った時、少し照れたように笑っていました。

彼の名前を呼んで、思い切り抱きしめました。

 

あの時、何かを教えたわけでも、変えたわけでもありません。

ただ一緒に海に出ただけだったのだと思います。

 

そして彼は、自分の足でまた世界に戻っていった。

 

その瞬間に立ち会えたことが、運営していて一番印象に残っていることです。

 

これからどのような場所にしていきたいですか?

人は一人では育たないし、
正解を押し付けられて育つものでもないと思っています。

「かける」という名前には、
人と人が掛け合わさることで可能性が広がること、
欠けたときには誰かが声をかけ、
また前に進めるようになること、
そして時間をかけて育んでいくこと、
そんないくつもの想いを込めています。

子どもたちは一人ひとり違う鍵穴を持っています。
だから大人も、ひとつのマスターキーになる必要はない。
それぞれが違う鍵を持ち、寄り添い、
その子なりの扉が開くのを待てばいいと思っています。

かけるは、
やらなければいけないことに追われる場所ではなく、
自分が本当にときめくものを思い出し、
自然や体験の中で試し、失敗し、また進める場所でありたい。

まだ完成した場所ではありません。
けれど、一秒一秒を大切にしながら、
関わる人とともに、未来へと羽ばたいていける場を
時間をかけて育てていきたいと考えています。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

「この子このままで大丈夫なのかな」と不安に思う保護者の方も多いと思います。

 

まずお伝えしたいのは、大丈夫ですよということです。

 

子どもたちは本来、それぞれの力を持っています。

ただ、うまくいかない経験が続くと、自信を失ってしまうことがあります。

 

 KAKERUでは、子どもたちがわくわくする体験の中で小さな挑戦を重ねていきます。

その中で少しずつ自信を取り戻していく姿をたくさんみてきました。

 

焦らなくて大丈夫です。

子どもたちのペースを大切にしながら、一緒に歩んでいけたらと思っています。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「KAKERU(かける)」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/108017
  • 0
ママたちの声を集めて届けるSNSはじめました。

未来地図の公式SNSでは、「ママたちの声を集めたアンケート回答」や「先輩ママたちの経験談」を中心に、さまざまな情報をお届けしています。ぜひフォローしていただけると嬉しいです(*´`)

keyboard_arrow_up