【インタビュー】フリースクール「HSC対応リベラルスクール」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は都心からも近い千葉県 /リアル・ オンライン(Zoom)でデモクラティックスクールを開催している「HSC対応リベラルスクール」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

こんにちは!

HSCリベラルスクール代表、鳥居佐織と申します。HSS型HSE(外交的HSP)です。子ども英会話スクール運営12年以上、船橋市で親の会(市民活動団体)の代表もしています。HSPスペシャリスト、おもちゃコンサルタント、IT関連等の資格を持っています。夫が専門学校・幼稚園・保育園を運営する学校法人を経営しています。

子どもの頃から海外が好きで、高校時代にアメリカに交換留学しました。大学卒業後は外資系航空会社・IT企業に10年勤めました。ニューヨーク駐在から帰国後、通訳に転身しました。

モットーは「好きこそものの上手なれ」「子どもは見守るのみ」「宇宙視点ですべて解決」。

私の場合は、子どもたちと遊ぶ時というよりは、子どもたちが自由に楽しく遊んでいる姿を眺めているのが至福の時です。

子どもたちは私を「さおりん」と呼びます。さおりんは海外の話をシェアするのが好きです。子どもたちには英語と日本語の両方で話しかけていますが、どっちで返されてもOKです。

HSCのお子様に関しては、特に’自分軸’と’感受性パワー’(Power of Sensitivity)が育つサポートをしています。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

パンデミックが始まった頃、娘たちが学校に行けなくなったことをきっかけに、感受性が生まれつき強いHSCの概念を知りました。

HSCの次女が編入先のインターナショナルスクールでも不登校になり、とうとう学校システム自体が苦手になってしまったため、『自由に過ごせてかつ英会話も学べるHSC対応のフリースクール』を立ち上げようと思いました。もともと子ども英会話スクールを10年以上、自宅で運営していたので、その延長で設立しました。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

子どもは適した環境を与えれば必ず良い面が成長すると実感します。

今のところリアルコースは週2回のみの開催ですが、毎日どこかに通わなくてはならないというのも思い込みだったようで、子どもたちはリベラルスクールを安全基地として、他の日はそれぞれの自由で多様な探求学習に大忙しの様子です。中には独学で8才で日商簿記3級に合格した子や、某YouTuberの動画・マップ制作班の一員として活動する13才の子もいます。

リベラルスクールでは常に子どもたちの笑い声が心地よく響き渡ります。「リベラルスクールは自分の部屋の次に好きな場所!」、前夜に「あと16時間でみんなと会えるね!」、「こんなに馬鹿笑いできる場所は他にない」という子どもたちの言葉に、子どもはやはり何よりも遊ぶことが大事なのだな、と思います。

マズローの欲求5段階説の通り、社会的欲求(所属欲求)含む低次の欲求が満たされて初めて、知的欲求など上の欲求が満たされていくのですね。

HSCの安心安全を第一とした今は多様性の時代ですから、フリースクールも特色を出していって良いと思いますし、それは間違いではなかったと思っています。

ただ、初めは学校のトラウマの影響で大変敏感で物静かでも、安心安全な環境で元来のエネルギーを回復したHSCは、けっこう他の子ども達と同様に大声で笑ったり賑やかになることがわかりました(笑)

みんなが元来の状態に回復すれば、HSC以外の特性を持つお子さんを受け入れることもできるようになるかもしれないと最近は考えています。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

リベラルスクールでの子どもたちの素直な言葉、「さおりんからお母さんに給食をストップするよう言ってほしい。学校には1mmも行きたくない。」、「学校に1時間だけでも行くとすごく疲れて翌朝は10時まで起きられない。」などに、上下でも横でもない「斜めの関係」は親に言えないことも話せて大事なのだな、と思いました。

外部の方から、「HSCをメインに受け入れるのは差別的だ。子どもは雑多な中で育つべきだ。」と指摘されることがありますが、今は多様性の時代なので、フリースクールも特色を出しそれぞれの特性を持つ子どもをサポートしてよいと私は考えます。子どもの居場所は感受性の強いHSCが安心安全に過ごせる場所でなければなりませんが、残念ながら学校でトラウマを抱えてしまったHSCは、本来の’高度な敏感さ'(Highly sensitive)とは別に、二次障害から’過敏'(Too sensitive)になっていることがあります。こういった状態のHSCには、まずは刺激を抑えた安心安全な環境でトラウマを回復し、自分軸を整えることが大事だと思います。いろんな特性を持つ子どもたちがそれぞれ幸せに過ごせるインクルーシブな環境があれば、自分軸が整ったHSCも問題なく楽しく過ごせることでしょう。

子どもが成長するためには、『大人は気配をなるべく消して見守ること』とつくづく思う瞬間がありました。『食の日』に子どもたちが本格的なインドチキンカレーを作ると決め、予算内で食材の買い出し、調理、片付けまでを行いました。私はただ見守っていましたが、異年齢の子どもたちで計算係、食材選び係、荷物持ち係、会計係、皮剥き係などと自然と役割分担してやり遂げました。インドカレー自体は辛すぎましたが(笑)、大人が指導しない方が自然と連携プレイして、失敗からも多くを学ぶようですね。

これからどのような場所にしていきたいですか?

HSCのお子さんの自分軸を整えるサポートをし、感受性のパワー(Power of Sensitivity)を最大限に伸ばし、社会で活かせるよう、お手伝いしていきたいです。

親の会(市民活動団体Carry The Right And The Light子どもの権利と輝きを伝えよう)も運営しているので、HSC以外の特性を持つお子さんたちとの接点もどこかで作り、他のニューロダイバーシティーの子どもたちともインクルーシブに活動できるようにしたいです。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

不登校は大人にとっては問題の始まりでも、子どもにとっては自分の身を守るための’解決策’だと考えます。学校以外の選択肢を示すことも今の親の務めと言えると思います。

特に感受性の強いHSCは目に見えないエネルギー(雰囲気)に敏感な体質です。理由がわからなくても、元氣がなくなるような場所ではニューロパーセプション(神経による感知)により神経がシャットダウンしているのでしょうから、深刻なトラウマになる前に、ぜひその子に合う環境を提供していただきたいと思います。

子どもは適切な環境で育てれば自然とよい面が伸び、自分軸も整い、たくましくなります。

HSCの優しさや繊細さは、今の世の中で特に必要とされています。お子様がありのままの自分を楽しく生き、活躍できるよう、一緒にサポートしていきましょう♪

HSC対応リベラルスクール主宰

鳥居 佐織

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「HSC対応リベラルスクール」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/18547
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