【インタビュー】フリースクール「レイパス 大阪南校(松原市)・大阪柏原校(柏原市)」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は大阪府 / オンライン(Zoom等)でフリースクールを開催している「レイパス 大阪南校(松原市)・大阪柏原校(柏原市)」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

フリースクールレイパス副代表の片渕(かたふち)です。

代表の郷原(ごうはら)についてはHPに紹介がしてありますので、
ここでは大阪南校の教室長としてフリースクールの教室運営に直接携わっている片渕から、
現場の視点も踏まえてレイパスについてお伝えできればと思います。

片渕の略歴
・佐賀県出身、大阪大学卒業
・ITコンサルティング企業に就職、7年間勤務(大阪・東京)
・代表の郷原に誘われてNPO法人レイパスを共同で設立
・教室運営、財務、法務、人事等レイパスの本業・コーポレートを担当
・趣味:テニス、読書、お笑い(かまいたち、霜降り明星推し)

レイパス 大阪南校(松原市)・大阪柏原校(柏原市)はどのようなフリースクールですか

①学習重視 ②子どもの意志尊重 ③少人数(5~10人程度) の3点が他のフリースクールと比べたレイパスの特徴と思います。

特に学習については、学び直しから受験指導まで幅広く対応します。

悩ましい進路についても、必要に応じて学校とも連携しながら、その子にとって最も良い選択となるように二人三脚で考えていきます。

また、レイパスでの学習は学校の教科学習に限りません。
「リベラルアーツ」の取り組みは、人間の本来持っている好奇心を刺激し社会の色んなことへの学びの感度を高めます。
遠足へも月1回以上行っており、自然からの学びを大切にします。
休み時間や放課後のボードゲーム・カードゲームの時間は、ソーシャルスキルの大事な練習の場です。

カリキュラムはなく、子どもがやりたいことに集中できるフリースクールです。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

前職についている時に、代表の郷原に誘われたことが直接のきっかけです。
前職は稼働時間や業務内容は非常に厳しかったもののやりがいはあり、自分の成長も感じられていました。が、ふとした時に「自分は何がしたいんだろう」と思い悩むことが度々ありました。

ちょうど悩んでいた時に、大学のサークルが一緒で仲の良かった郷原から「フリースクールをやりたい。手伝ってくれ」と誘われました。
自分のやりたいことが分からずに悩んでいた折だったため、「困っている誰かを助けることは、自分のやりたいことかもしれない」とその誘いに乗った、というのが経緯になります。

レイパスを始めたのは3年前(2023/6現在)でしたが、それまでは不肖ながらフリースクールのことは知りませんでした。

レイパスをやらないかと誘われてから、日本の学校教育の現状、学習指導要領、世界の教育、いじめなどについて調査していく中で、学校以外の教育の場が必要と思うに至りました。

学校が合う人も、合わない人もいる。
学びの場は学校でも良いし、学校でなくてもいい。
選択肢があることが子どもにとって重要である。

フリースクールを始めて約3年、その思いは正しかったと実感しています。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

子どもたちは自分が思っていたよりもいろんなことを感じ自分の人生について考えている、ということです。

以下、レイパスの生徒の例です。

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引きこもってゲームばかりやっていた子が、「勉強しないとまずいと思ってます」「どこからやったらいいですか」と言ってくる。小学生の内容からやろうと言うと「分かりました」と素直にやる。

進路について親とケンカして、親を説得するための材料を自分で探したり教室長に相談しに来てまで自分の意見を通す。「自分のしんどさをお母さんはわかってない。だから一回限界まで連続登校にチャレンジしてみます。これで無理なら諦めてくれるはず」

中3の生徒が自分たちの送別会で「不登校はすごいんだよ。その辺の同じような子たちと違う人生なんだよ」と勝手に演説を始める。

学校でリーダー的な扱いをされることに嫌気がさして小6で不登校になり、知り合いのいない中学に行きたいと半年間猛勉強して有名私立中学に合格する。
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彼ら・彼女らを見ると、学校にある程度「なじんで」過ごしてきた自分があまりに鈍感で考えてこなかったのか、痛感します。
学校教育になじめてきたはずの自分が「自分は何がしたいんだろう」と大人になってまで悩まないといけないのは、子どものころから考えてこなかった結果なのかもしれません。

「学校に行かない」というのは自分の人生を自分で考える大きなきっかけですが、一人で考えるのは難しいものがあります。そういう時に横にいて話を聞き、一人の大人として話ができるフリースクール(スタッフ)は、やはり必要だと思います。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

一つ前の質問で挙げたような、子どもたちが自分の考えをしっかり出してきた時のことはどれも印象的です。

イベントで言うと、2022年に1泊2日の修学旅行を実施できたことは、レイパスとしても子どもたちにとっても大きかったと思います。
レイパスに通う子は「青春したい」と言う子が多い印象ですが、この時は夜の浜辺で花火をしたり、友達と海に飛び込んで周りを笑わせたり、夜遅くにコンビニでアイスを食べたり等、立派に青春していたように思います。
準備は大変でしたが、やった甲斐がありました。

経営的には、2年以上続けてようやく初めて単月で黒字になった時です。
フリースクールは生徒数の波があるので、現在はまた赤字なのですが・・・

これからどのような場所にしていきたいですか?

この2年半で、レイパスがやっていることを必要としている子どもがいると分かったので、まずはしっかりと継続していくことが大事だと思っています。

一般的にフリースクールは、継続していくのが難しいと言われています。
要因としては、
・不登校の生徒を受け入れる性質上、どうしても生徒は少人数にせざるを得ない(収益のMAXが低い)
・1年を通して生徒数の波がある
・年頃の、繊細な、学年が異なる子どもたちに指導できるスタッフが必要
・必要な子ども、保護者にフリースクールの情報が届きにくい
・公的機関からの補助金、助成金がない
・無料の学校に比べると料金が高い

設立したものの生徒が集まらず、半年でつぶれるフリースクールはよくあります。
長期間継続し、子どもたちにとって必要な場所を守っていきたいと思っています。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

「子どもは、大人の欺瞞に敏感だ」とスタッフの間でよく話します。

「学校に行かなくてもいいよ」
「できることからやっていこう」

教師や親のそういう言葉が本心かどうか、子どもは敏感に察知していて、それが自分をコントロールしようとする言葉だと理解しています。

だからこそ、大人が本心から「学校に行かなくてもいい」と思えることが、子どもの安心につながると思っています。

しかし、それが難しいのも事実で、責任を感じるがゆえに、「学校に行ってほしい」「学校に行っていないならその分何かを頑張ってほしい」と思ってしまうものだと思います。

この非常に切実で大きな悩みに画一的な対応策はなく、家庭での安心と教育の板挟みで、保護者も疲弊します。

レイパスは、子ども・保護者と伴走します。どういう対応が必要か、一緒に頭を悩ませます。子どもの居場所になり、保護者と、必要に応じて学校ともしっかり連携して、子どもの将来に本当に必要な支援を一緒に考え、実施します。
お困りの際は一度ご連絡ください。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「レイパス 大阪南校(松原市)」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/14831
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