『未来地図』のアンケートに集まったお母さんたちの声が本になりました!
不登校の子どもを持つ保護者が“求める支援”とは ―現状の課題を可視化し、対応策を探る― | 白井絵里子|本 | 通販 | Amazon
学校への「行きづらさ」を親の「生きづらさ」にしないために、何ができるでしょうか。
⇒その答えは、アンケートに寄せられたお母さんたちの声の中にありました。
浦和大学白井絵里子特任教授(当時)は、このアンケート回答を読み、ご自身の考えを次のように寄せてくれました。
お母さんたち、学校、支援に関わる方が感じている息苦しさとその背景にある見えにくい事情をお互いに知ることができれば、お母さんたちが感じている息苦しさを少しでも減らすことができるのではないでしょうか
その後、白井先生は不登校支援をテーマにした研究をまとめ、2023年夏に論文を発表。また、不登校をめぐる状況が変化していることを踏まえ、より多くの方に不登校の子どもを持つ親への支援について考えていただければと、2024年3月、論文を基にした本を出版されました。(A5版 60ページ)
- このコラムでは、白井先生の言葉(1)〜(3)と未来地図スタッフのトーク(4)で、本の内容を紹介します。
(1) 不登校の子どもを持つお母さん方へ
お母さんたちが感じている辛さがどのように生じているのか、辛さが生じる背景にどのような事情があるのかを整理することで、お母さんたちの気持ちが少しでもラクになれたらと思います。
また、お母さんたちにとって掲示板(BBS)を訪れることはどのような意味を持つのか、掲示板が活用されるためにどのようなことが必要なのか、これまでの研究等をもとに整理しています。
(2) お母さんの身近にいる方、支援に関わる方々へ (スクールカウンセラー、学校関係者、相談機関等)
お母さんたちにとって「離れたいもの」、「離れたくないもの」、「離れられないもの」をアンケート結果等から明らかにしました。これらを知っていただくことで、お母さんたちとの向き合い方が変わることを願っています。
(3)本の概要
●第Ⅰ部:不登校の子どもを持つ保護者に対する支援の現状と課題
- 不登校の子どもを持つ親の見えにくい実態
- 親にとって“相談へのハードル”が存在することとその背景
- 保護者が選択している不登校に関する相談先の特徴
- 保護者が相談先に求めること
- 保護者が困っていることと各相談先での対応状況
●第Ⅱ部:ピアサポートとしてのBBS の活用
- 保護者にとってのBBS
- BBS を有効に活用していくために必要なこと
●第Ⅲ部:地域と社会で保護者を支える
- 仕事と子育ての両立支援の一環として求められる取り組み
- 保護者がレスパイト(休息)できる“居場所“をつくる
(4)スタッフの感想 レビュー
エリー : 私も『学校への行きづらさが生きづらさに繋がらないように』..と常々思っていました。この本は、相談先や対応が 表になっていてひと目でわかりやすいですね。
暁 : 27ページの表2、私はこれがこの本の目玉だと思いました。
保護者の中には不登校に直面して仕事を辞めざるを得なくて困っている人、辞められて困ってる職場の人もいますよね。
Kun : 『未来地図』の中にもそのような相談はたくさん寄せられていますよね。仕事を辞めたほうがいいのかもしれないけれど、収入も必要だ…と。相談先に迷う方も多いようです。
暁 : 不登校にはケアマネさんがいない。不登校離職もある。それに、27ページの表2によると、不登校親の会とSNSが、どの悩みごとに対しても有効であることがわかるね。社会的セーフティーネットになっていると感じます。
Kun : たしかに『未来地図』でも掲示板が一番利用されてるものね。私自身も同じような経験をした保護者の存在が 何よりも励みになり、これまでずっと 支えられてきました。
エリー : 今、悩んでる方々には、たくさんの不登校の親の先輩方が悩み迷ってきた道を知り、自分なりの近道をみつけてほしいな。
YAYOI : ページを読み進めていくと、不登校の悩みや戸惑いを代弁してくれている文章に出会えて、私は安心感が得られたよ。
エリー : 巻末の参考文献には良書がたくさん。この本は、不登校の親を孤独や孤立から救う一冊だと思う。保護者対応に思い悩む先生方にも読んでほしいですね。
ルルビ : この本は
「私たちの私たちによる私たちのための指南書」と言ってもいいくらい。感銘を受けました。
Kun : アンケートに回答してくれた1,064名の保護者の方々の声によって生まれた本…とも言えますね。アンケート回答にはぎっしりと文章での回答が寄せられ、どこにも出せなかった親の思いが溢れてるように感じ、胸がギュッと締め付けられました。この声が支援に活かされることを願っています。
ルルビ : 白井先生は「まず保護者に読んでほしい」と言っていましたね。読んで、背景の整理をしてほしいと。
自分に照らし合わすとよくわかるんですよね。
当時は回答者だったから、アンケートに一生懸命答えました。この私たちの立場を広く知ってほしかった。誰かになんとかしてほしかった。
時を経た今は、そのような意見を汲み上げ周囲に伝え、社会で誰もが共に生きていくにはどうしたらよいかと考えるようになりました。
今回この本を読んで何よりも思ったことは、読みどころの捉え方が3年前の私と今の私は確実に違うということ。この本を客観的に読むことができた、ということ。
誰に何をどのように伝えたらよいかを再確認できた機会をいただいたことを、白井先生に感謝したいです。
Kun : そうですね。私も誰にどう伝えたらいいのかわからなかった思いを、自分の中で整理できました。「本」というカタチで 手に取りやすく、しかもどの立場の読み手にも伝わりやすいようにポイントを押さえ優しい言葉でまとめてくださったことにも感謝したいです。
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学校に行きづらい子どもの保護者だけでなく、子ども達のそばにいる学校関係者や支援関係の方々にも ぜひ手にとって読んでいただけたら…と思います。
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