【インタビュー】フリースクール「NPO法人フリースクールみなも」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は大阪府でフリースクールを開催している「NPO法人フリースクールみなも」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

初めまして。フリースクールみなもの理事長、今川将征と申します。仲間たちと「フリースクールみなも」(以下、みなも)を立ち上げもうすぐ20周年になります。その間に多くのこどもたちと出会いがあり、巣立ちを見届けてきました。

私のモットーは「楽しく学んでこそよく伸びる!!」です。趣味は野球、旅行にサイクリングとDIY。野球は筋金入りの阪神ファンで自分自身も草野球プレイヤー。家庭内では2児の父親で、こどもとも一緒に全力で遊ぶ毎日を過ごしています。

NPO法人フリースクールみなもはどのようなフリースクールですか

みなもは色んな「出会いの場」だと思います。

①人との出会いの場
みなもには色んな人が集まります。同年代のお友だち、年上のお友だち、年下のお友だち。そして、スタッフ、ボランティアスタッフたち。
色んな人と出会い、一緒に過ごすうちに仲良くなっていきます。ささいなことでも年齢や性別関係なく、みんなが混ざり合って笑い、楽しみ合えるのがみなもです。

②楽しいものとの出会いの場
出会いは人だけではありません。みなもでは工作や手芸、ボードゲームやテレビゲーム、自習の時間など、様々な活動を行っています。
仲間の「好きなこと、楽しいと思うこと」をきっかけにした新しい「楽しいこと」との出会いを積み重ねることで、こどもたちの世界は広がっていくからです。

③みなもの「次」に出会う準備の場

進路について考えたり、受験や試験に向けた勉強に取り組んだりすることもできます。フリースクールの「自習の時間」を使ってもよいですし、本格的に受験の準備をしたい時には併設の「個別指導塾みなも」を並行して使うこともできます。
もし、進路や将来について不安なときは、スタッフとゆっくり話し合うこともできます。

たくさん笑い合う中で育ち、次のステップへ旅立っていく、それが「フリースクールみなも」です。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

フリースクールが目指すことの一つは「自己決定ができる」よう育っていくこと…この教育方針に感銘を受け、私自身も実践していきたいと考えるようになりました。また、同じように不登校のこどもたちを支え、自分でたくましく未来を切り開けるこどもたちの育ちの場をつくりたいという想いを持つ仲間たちと出会ったことも設立のきっかけです。この仲間たちとにフリースクールみなもを立ち上げました。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

自由に過ごすこと、自分で決めるということは、言葉では簡単だけどすごく難しいことなのだと実感しています。自由に過ごせる時間や場所を用意するだけでは「何をしたらよいかわからない」と戸惑いを感じるこどもも少なくありません。

「自己決定する」というのも、練習することで少しずつできるようになっていくものなのだと、今では思っています。例えば、みなもでは予定表でその日の大まかな日々の活動内容が決まっていますので、こどもたちはその中から「参加する・見学する・他の活動をする・欠席する」のいずれかを選ぶことで、自分の過ごし方を決める経験を積み重ねます。そして、みなもに慣れてきた頃から少しずつ「自由にやりたいことを考える」ことを練習していきます。そうすると、こどもたちの中から、次第に「こんなことがしたい」と提案が出てくるようになります。この提案も「こども発案・スタッフ主導」で実践することから、「こども発案・こども主導」での実践に少しずつ発展していきます。このように、こどもの発案の企画が実現していく過程の中で、少しずつ自分が関わる範囲が広がる成功体験を経て、少しずつ「自己決定」ができるよう成長していくのだと感じています。

最近の出来事ですが、昨年度の卒業式はこどもが中心となって企画を考え、実施することができました。「広い会場で大きなボードゲームがしたい!」「バンド演奏の発表がしたい!」等、こどもたちから多くの意見が出た結果、こどもたち主体で式を盛り上げるための様々な工夫や準備が行われました。一人ひとりのこどもたちが「自分のできること」を発揮しながらも、みんなで「ひとつのことを作り上げる」経験になったように感じています。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

こどもたちの成長を見て実感できる瞬間は、やはり嬉しいですね。

特によく感じるのは新しいお友だちが入ってきたとき。それまで一番後輩だったこどもが、新しいお友だちが入ってきたことで意識が変わるのか、ふっと印象が変わることがあります。お姉さんお兄さんになる瞬間というか、例えば輪の中にどう入るか迷っているこどもに声をかけたり、慣れていなくても楽しめるボードゲームを選んだり等、これまで先輩にしてもらったことを今度は後輩に返しているのかなと思ったりします。そうやって、みなもで重ねてきたことが、こどもからこどもへとつながっていくのかなと思います。

また、卒業していったこどもたちから連絡があったり、遊びに来たりする中で、一人ひとりが選んだ道でたくましく日々過ごしている近況を聞くと嬉しい気持ちになります。

これからどのような場所にしていきたいですか?

より大きな「楽しさ」のある場所にしていきたいですね。もちろん今でも目指していますが、もっともっと大きな笑いがある場所に。そのためには、まずは関わっている大人も心から「楽しい!」と思える場であること、その気持ちがこどもたちにも伝わり、さらに新しいお友達に「楽しい」のバトンがつながっていく…。そうしてより活気のある場、こどもも大人もそれぞれが自分らしく輝ける場所になっていくのかなと思います。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

不登校というのは、こどもたちだけでなく保護者の皆様にとっても想像しなかったことであり、戸惑いもあるかと思います。

ですが今では多くのフリースクールや親の会など、不登校のこどもたちを支える場所があり、人がいます。不安を一人で抱えるのではなく、誰かとつながってみてください。まずは親の会からでも、あるいはフリースクールに実際に訪問してみてもよいと思います。不登校を支えてくれる人、お子様がつながれる場所があることをまずは知ってほしいと思います。その中でお子様や保護者の皆様にとって良き出会いがあり、その先の明るい未来につながることを、願っております。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「NPO法人フリースクールみなも」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/1209
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