ナミの日記『長女について11』

今年も家族で初詣に行き、みんなでおみくじを引き、見せ合いました。
私と長女は大吉でした。私のおみくじには、とにかく待ちなさい、待てばうまくいく、というような事が書かれてありました。
神様を凄く信じている訳じゃないし、何なら信仰心なんて少しもないのでこんな時ばかり頼るのはいけないよなぁと思いつつ、お賽銭を投げてお祈りする時には毎年子供の事を祈ってしまいます。
焦って急ぎそうになった時にはおみくじの 待ちなさい のメッセージを思い出しています。
長女も大吉で少し嬉しそうでした。

そして中学3年生になりました。
相変わらず生活的には特に変わらないけれど、長女は少しずつ穏やかになってきて、以前のようないつもイライラしている感じはなくなり、妹に対する態度も自分から話しかけたりする訳ではないですが、前ほど避けたり嫌がったりという態度がなくなりました。
くだらない話も普通にできるようになり、まずは私たち両親だけで通信高校が集まる説明会へ行き話を聞いて資料を集め、タイミングを見計らい高校の話をしました。
もちろん絶対行きなさいというふうではなく、こういう学校もあるよ、という感じで。

長女も凄く嫌がる様子でもなく、一つの高校に体験に行く事になりました。
3種類の授業の中から自分で選び、体験をさせてもらうのですが、その時点でまず長女はなかなか選ぶ事ができません。これは結構昔からで、不登校になり出してから顕著になったような気もするのですが、長女は何かを選ぶというのがなかなかできない事がよくあります。自分に興味のないものはもちろん、自分が買いたい服を選ぶ時なども、止まってしまい動かなくなり、泣きだしてしまう事がありました。昔の私はイライラして急かしてしまう事もありましたが、繰り返すうちに急かすと余計にこじれる事が分かったので、近頃は急かさず、出来るだけ優しく声をかけて待つ事にしていました。
ただこれは、対 私や、対 家族なら時間がある限り待つ事は可能ですが、対 社会となるとなかなかそうはいきません。いつまでも待ってはくれません。
少しの迷惑くらいはまだ許されるかもしれませんが、最終的には何でも自分で決めて行かなければなりません。
更に長女は良く喋るタイプではないので、分からない事や不安な事を聞いてくれれば話し合いも出来て良いのですがそれも出来ず、黙って固まってしまいます。

その時も結局は最初から説明してくれていた先生の授業をそのまま受ける事になりました。もちろん長女がそれが良いと口にした訳ではありませんが、時間もないのでそうなりました。
授業も紙が配られて自分の考えを簡単に書いたりする感じだったのですが、長女に至ってはペンを握る事も出来ず。しまいには泣き出してしまいました。(もちろん誰も責めていませんし、先生もとても優しくして下さいましたが…。)
私も困りはしましたが、何となく予想はついていたので、終わってからも疲れたね〜という感じで帰りました。
ただ、何もかもに適当に対応するのは間違っていると思うけれど、成長していく上で自分の興味の範囲外のものでも選択しないといけない時はあるし、どうしてもわからない時は適当に答える(流す)力も必要だよ、というような事だけは伝えました。
そういう力っていうのはきっと家では養う事が出来なくて、他人と関わったり例えば学校生活での自分にとってはあまり興味もないような(多分大体の人は無意識にできる)小さな、でもしないといけない選択を積み重ねるうちに養われていくものだろうなと思いました。

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