フリースクールインタビュー企画!
今回は埼玉県 / 茨城県でフリースクールを開催している「imacoco学園」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。
まずは自己紹介をお願いします
2024年10月に茨城県鹿嶋市にオープンしましたフリースクールimacoco学園です。
皆さんに寄り添い、居場所となりながらさまざまな活動を通して、できることを増やし、自信をつけてもらいます。
好きなこと、夢中になれることを見つけて、自分で決めて、進めるように方向付けていきます。
まずは、学園に慣れて元気になったならば、和を大切にしながら一緒に歩んでいきましょう。
2025年6月に埼玉県志木市にもキャンパスをオープンしました。
imacoco学園はどのようなフリースクールですか
私たちは日本の伝統精神に基づき新しい教育を創出し、皆さまに広く提供していきます。
代表は剣道家であるため、剣道や禅の教えに基づいた理念は、「受け入れること、比べないこと、否定しないこと」を掲げています。
そのため、創立の地を、日本神話にも登場し、武の聖地ともいわれる鹿島神宮の地、茨城県鹿嶋市にしました。
充実したカリキュラムと、社会人経験も豊富なスタッフ、さまざまな体験学習も豊富です。
ゆったりとした時間と活動のメリハリがきちんとついており、遊ぶ時間もありますが、個別対応の学習も定評があります。
和を大切にし、他者と比べるのではなく、徹底して自己を見つめ「決められる」ようになります。
やることをやり、好きなこともできる。雰囲気が良く、笑顔溢れる、楽しい学園です。
フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください
イマココの在り方 ―― 停滞を破り、自走するための宣言
イマココはフリースクールではありません。 教える場所でも、居場所を提供する場所でもありません。 何かを与えたり、何かをしてもらうことを前提とした場ではありません。
ここは、自分の都合や判断だけで動く場ではなく、大人も子供も、場の流れや周囲との関係の中で成り立っています。それぞれがここに来て、共に過ごし、動く中で、自然に整っていく場です。
ここでは、大人も子供も行動で示すことを大切にします。 もっともらしい理由は、行動しないための言い訳に過ぎません。 やりたくないことを口にすることもあるでしょう。それでも、目の前に起きていることはすべて必然であり、今やるべきこととして現れています。
言葉よりも行動がすべてです。 理由ではなく、実際の関わりと動きがそのまま現れます。
学校に行けないこと、行かないことは問題ではありません。 日常の流れが滞らなければ、自然に道は拓けていきます。
1. 停滞を正当化する「優しさ」への疑念
昨今の不登校支援の現場では、「居場所」「好きなこと」「遊び」「ゆっくり」「そのままで」といった言葉が溢れています。一見、これらは子供に寄り添う優しい言葉に聞こえるかもしれません。
しかし、私たちは危惧しています。 これらの言葉が、時として本人のエネルギーを奪い、「停滞」を正当化する麻薬になってしまっている現状を。
「何もしなくていい」「今のままでいい」と言われ続け、ぬるま湯のような空間で消費的な遊びに耽る。それは本当の意味での「回復」でしょうか。むしろ、自走するための心の筋肉を退化させ、現実から自分を切り離す「停滞」を助長しているに過ぎないのではないか。
不登校そのものは問題ではありません。本当の問題は、日常の流れが滞り、自ら動く力を失ってしまうことです。「ゆっくり休む」という名目のもとで、期限のない先延ばしを繰り返しても、道は拓けません。理屈や理由を探して動かない時間を「自分と向き合う大切な時間」と美化することも、私たちはしません。
滞りを解消するのは、頭の中の理解ではなく、具体的な身体の動きです。目の前の作務に没頭し、場の流れに合わせて身体を動かす。その「必然の動き」の中にこそ、自分を整え、次の一歩を踏み出すための真の生命力が宿ります。
私たちは、甘えを助長する「まやかしの優しさ」を捨て、共に動き、共に整っていく「厳しくも温かい場」でありたいと考えています。
2. 過去という幻想、今ここの身体
つらい出来事が起きた直後、何をする気力も起きない時期があるのは事実です。休息が必要な時もありますし、その環境から物理的に距離を置くことも重要でしょう。
しかし、知っておかなければならないことがあります。 どれほど深い傷であっても、それは今この瞬間、目の前にあるものではありません。それは、すでに過ぎ去った「過去の記憶」という残像です。
「自分は傷ついているから動けない」と思い込むこと、その自己定義こそが、生命の「滞り」を引き起こします。実体のない過去の痛みに囚われ、思考の中に閉じこもる。もっともらしい理由を並べて、目の前の現実から目を逸らす。それは「癒し」ではなく、自らを停滞という牢獄に閉じ込める行為に他なりません。
「今ここ」には、実は何も起きていないのです。 目の前にあるのは、ただ流れる時間と、共にある場と、なすべき動きだけです。
だからこそ、私たちは「理由」を捨て、身体を動かすことを求めます。過去の重荷を下ろし、今、この瞬間の必然に身を投じる。その動きの中でこそ、停滞していたエネルギーは再び循環し始めます。
3. 自意識という檻を抜け出す
他人の目が気になる。周囲で何か噂をされているのではないか。そうした不安に足が止まることもあるかもしれません。
しかし、知っておくべき真実があります。 他人は、あなたが思うほど、あなたのことを気にしていません。 あなた自身が、一日中誰かのことばかりを考えてはいないのと同じように。
「誰かにどう見られるか」という自意識は、実体のない幻想に過ぎません。その不確かな「他人の視線」という妄想にエネルギーを注ぎ、自分の日常を滞らせること。それ自体が、最も不毛な停滞を引き起こします。
学校に行かない自分、動けない自分。それらを「世間」という鏡に映して悩み続けるのは、鏡の中の残像と戦っているようなものです。鏡を見るのをやめ、外へ目を向けなさい。
今、目の前にある場。今、共にある仲間。今、なすべき一歩。 自意識という檻から抜け出し、身体を動かすこと。その「無心」の動きの中にこそ、他人の目など入り込む余地のない、本当の自由があります。
私たちは、大人も子供も一人の人間として、対等に向き合います。 理屈ではなく、実際の動きの中で、共に道を拓いていきましょう。
「優しい場所」が「動けない場所」に変わるとき:見守る大人の心得
学校に行けず、心が疲れてしまった子にとって、フリースクールのような場所は大切な「避難所」です。しかし、そこでの「優しさ」が、ときとして本人の成長を止めてしまうことがあります。 大人が無意識に陥りやすい落とし穴について、整理しました。
1. 「そのままでいい」という言葉の、本当の意味
「無理しなくていいよ」という言葉は、本来、次のステップへ進むためのエネルギーを貯める「休憩」のためにあるものです。
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大人の逃げ道になっていないか: もし、周りの大人が「自分も面倒なことから逃げている」状態だと、その言葉は「僕も頑張らないから、君もそのままでいいよ」という、お互いの傷をなめ合うだけの合図になってしまいます。
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心地よすぎる「止まった時間」: 何のハードルもない環境は、一見幸せに見えます。しかし、そこがあまりに居心地が良すぎると、外の世界へ踏み出す勇気や、問題を乗り越える力が少しずつ失われていってしまいます。
2. 「頼られること」で満足してしまう大人たち
支援する側の大人も一人の人間です。知らず知らずのうちに、自分の心の穴を子供で埋めてしまうことがあります。
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「先生」という立場への依存: 社会の中で自信を持てない大人が、自分を慕ってくれる子供たちに囲まれることで、「自分はすごい人間だ」という勘違い(万能感)に浸ってしまうケースがあります。
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「変わってほしくない」という無意識のブレーキ: 子供が元気になり、自立して自分の元を去っていくのは本来喜ばしいことです。しかし、自分の存在価値を「頼られること」に置いている大人は、無意識に「君はまだ弱いから、ここにいた方がいい」と、子供を引き止めてしまうことがあります。
3. 「いい人」という印象に惑わされない
「優しくて話しやすい人だから安心」というのは、一つの目安にはなりますが、それだけで判断するのは危険です。
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大人が「自分の足で立っているか」: 本当にチェックすべきは、その大人が「当たり前のことを当たり前にやっているか」という点です。約束を守る、地味な作業をコツコツ続ける、自分自身が新しいことに挑戦している。そうした「大人の背中」がない場所では、子供にだけ「頑張れ」と言っても響きません。
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「ここだけが世界のすべて」という危うさ: 「この先生だけが理解者だ」「この場所しか居場所がない」という状態は、一見絆が深く見えますが、実はとても狭い世界に閉じ込められているサインかもしれません。本物の支援は、外の世界へつながる「扉」を広げてくれるものです。
結論:いつか「荒野」を歩き出す日のために
フリースクールは、心を休める「キャンプ場」であっても、一生そこにとどまる「出口のない部屋」であってはなりません。
本当に子供のことを思うなら、大人は「優しさ」という隠れみのを脱ぎ捨て、自分自身が現実の世界で汗をかき、成長しようとする姿を見せ続ける必要があります。 大人が一人の人間として一生懸命に生きている。その力強い背中を見せることこそが、子供たちが「自分ももう一度、あっちの世界へ歩き出してみよう」と思える一番のきっかけになるのです。
――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。
- ◆フリースクール「imacoco学園」の詳細はこちら
- https://miraitizu.com/freeschool/95757
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