【インタビュー】フリースクール「早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC) 「フリースペース・雲」(NPO法人)」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は東京都でフリースクールを開催している「早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC) 「フリースペース・雲」(NPO法人)」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

特定非営利活動法人助走の場・雲の代表を務めている、松村淳子と申します。

困難を抱える若者のためにという理念のもと、これまで新宿区高田馬場で不登校・ひきこもりの子供たちのためにフリースペースを開催し、社会復帰のお手伝いをしてきました。

しかし、経済的に余裕のない家庭の子供たちには、手が行き届かない現実がありました。そこで今回、無料学習支援の場を開き、支援の幅を広げたいと考えました。

これまでフリースペースとしていた場所を活用し、近隣の経済的に余裕のない家庭の子供達を集めて個別指導による学習・進学指導を行います。指導には主に早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)を通じて募集した、学生ボランティアが当たります。

単に勉強を教えるだけにとどまらず、一人一人の悩みを聴き、学習への意欲とともに自己肯定感を取り戻すよう、きめ細やかなフォローを行いたいと考えています。

早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC) 「フリースペース・雲」(NPO法人)はどのようなフリースクールですか

アットホームな雰囲気が漂う、少数精鋭学生スタッフが中心に勉強を教えるNPO法人です。スタッフは早稲田大学生を中心に学生10人程度、それを支援する社会人5人(OB、OG中心)で構成されています。

活動内容は2つに分かれており、一つ目が、現役大学生がマンツーマンで対応する学習支援です。二つ目は、雑談やボードゲーム等の”遊び”を通して、サードプレイスとしての居場所を支援するフリーペースとなります。

特徴としては、現役大学生を中心に活動をするため、ななめの関係ができること、また、少数精鋭ということから、自由でパーソナライズな対応ができることが挙げられます。

訪問される方によく言っていただく言葉は「アットホームな空間ですね」という言葉です。不登校を経験したスタッフなど豊富な人生経験を持つスタッフがいるので、ぜひ一度、活動を覗きに来てください。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

実は私の長女が不登校になったことがきっかけで相談室をはじめ(2005年)、その発展形としてフリースペース雲を始めました。

相談室で親御さんの話を聴き続けることで家庭内で子どもが元気を取り戻し始めても社会に出ることの大変さに気付きNPO法人設立を決めました。

そのため、助走の場・雲にほんの少しアウェイの、それでも温かい空間でもう一度社会に出る準備を整えてもらいたいという思いを強く込めています。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

戻るところは現実問題、学校が多いのですが、実はそれではあまりにもハードルが高すぎると感じています。

すでに出来上がっている空間・クラス・友だち関係・・・・
そこへひとっとびに戻りうまく適応できずに大きな挫折感を味わう

せっかく元気を取り戻し、次への気持ちが芽生えてきたお子さんのために。社会復帰のための中間地点として「助走の場・雲」は存在しているのだなと感じています。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

小さなアットホームな居場所なのですが、そんな中で少し年上の学生たちに温かく接してもらい、徐々に心にのしかかっていた「重し」が溶けていきます。

不登校を経験したスタッフもいるので不登校になって「じぶんは終わった」と絶望していた彼らにも希望が湧いてきます。そして、「自分の道を歩みだす」そんな彼らを代々見てきた気がしています。

これからどのような場所にしていきたいですか?

パートナー(利用者)、スタッフの「居場所」であり続けることは変わらないですね。それに現在不登校はコロナの影響や社会の空気も微妙に変化してきます。

そんな今だからこそ「第三の居場所(サードプレイス)」の雲、学生スタッフとの「斜めの関係」が必要になると思っています。これからは雲がパートナーだけでなく、スタッフの大学生、OBなど、ここで関わり、育っていった若者の心の居場所となっていきますね。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

お子さんの不登校で現在頭を悩ませている親御さん。

ちょっと見る角度を変えてみてください。もしかしたら彼らは「自分らしく生きたい!」とやっと声を上げ始めたのかもしれません。今の社会の「あたりまえ」「ふつう」に当てはめないで彼ららしい生き方を応援してあげてください。

これからますます社会は息苦しい方向に進むかもしれません。彼らの学校へ行かないという「選択」を良い方向に進むきっかけとして応援できるよう、一緒に考えていきましょう。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC) 「フリースペース・雲」(NPO法人)」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/39518
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