【インタビュー】フリースクール「フリースクール・フォロ」に設立の経緯を聞いてみました

フリースクールインタビュー企画!
今回は大阪府でフリースクールを開催している「フリースクール・フォロ」について、設立から今に至るまでのお話を聞いてみました。

まずは自己紹介をお願いします

こんにちは。NPO法人フォロです。
私たちは、2001年から、フリースクールをはじめ、さまざまなかたちで「居場所」を運営しています。
今は、大阪城公園の近く「森ノ宮」付近にあります。
フリースクール以外には、親の会「ほっとサロン」や親の相談窓口、18歳以上の居場所「なるにわ」などをおこなっています。

フリースクール・フォロはどのようなフリースクールですか

フォロは「いるだけでいい」を合言葉に、子どもたちがまず何よりも安心していられる、過ごせる居場所をつくってきました。
普段は、おしゃべりや、ボードゲームやカードゲーム、テレビゲーム、パソコンや読書、漫画、楽器、手芸など、子どもたちがしたいことを比較的自由にしています。
やりたいことで計画が必要なことは、ミーティングにあげて話し合いながら予定を立てていきます。例えば、遠足に行くのも、どこに行くか、どんなルートで行くか、費用はどれくらいかかるか、スタッフは何人くらい必要か、など、参加したい子どもとスタッフで話し合いを重ねて実施していきます。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

20年ほど前、「学校に行かない子と親の会(大阪)」に参加していたメンバーの有志が、「子どもが通える場所が必要」との思いで立ち上げたのがきっかけです。親の会に参加して、親が少し落ち着いてくると、子どももちょっと元気になってきて、家でも学校でもない、どこか行ける場所があれば、ということで始まりました。

実際に設立してみてどんなことを感じましたか?

子どもが学校に行かないというのは、どのように見えようと、何か奥深く感じているものがあるからにちがいありません。そこで必要なのは、なによりも自分が否定されず、安心して、ただ居られる場所が必要だと、私たちは切実に感じてきました。
以前に比べ、不登校に対して、一定の理解は得られるようになりました。インターネットを使い、家にいながら学習できる環境も整ってきています。
しかし逆に、学校には行かなくても何かをするよう求められたり、今はいいけれどずっとはダメといった、無自覚のうちに条件付で肯定されている場合が少なくありません。身につけるべきことができているか、家にいても評価されるようになり、「ただ居る」ことが難しくなっているようにも思えます。 もちろん、何かができるようになるのは大事なことで、充実感や達成感は人生を豊かにするものでしょう。 しかし、どんな場合でも、その人をよく理解せず、根幹的な信頼関係やケアをおざなりにして、能力だけを他人と比べ、競うように追い求めていては、本当の意味で人を信頼し、関係をつくることが、難しくなるのではないでしょうか。

運営していて印象に残っていることがあれば教えてください

フォロとの出会いは学生の頃、ボランティア活動を通してでした。
通っている子どもの付き添いのボランティアをしていたのですが、場の雰囲気に触れたとき、「私、ここに、このままで、いていいんだ」という不思議な感覚になりました。何ともいえない安堵感が広がったのを、今でも覚えています。

人が育つ、生きる、存在するとはどういうことか。こうあるべきと思い込んでいないか。あたりまえとされているものを疑ってみたり、不安を分かちあいながらも不安の根もとを見ることで、より柔軟に生きられるかもしれません。

これからどのような場所にしていきたいですか?

フリースクールでは、知識も、価値観も、上から押しつけるのではなく、子どもたちとシェアしたいと思ってます。大人が子どもに伝えられることもあれば、子どもから大人が学ぶこと、子どもどうしが学び合うこともあります。
また、診断名で子どもを決めつけたりはしませんし、子どもどうしのトラブルも、上から裁くようなことはしません。子どもたちの苦労や悩みも、いっしょにシェアして考え合っています。
フリースクールは、おもしろいことや、ためになること、もめごとや、つらいこと、悩みごと、いろんなことをシェアする居場所です。

私たちは、葛藤やもめごとといった厄介な部分も含めて、人と出会い、ともに過ごし、やりとりを重ねるなかで、人間を理解し信じる努力を続けていきたいと思います。それは、目に見えやすい「成果」にはならなくても、人が生きていくうえでの大事な土壌になるのだと思っています。

最後に、このページを見ている保護者の方々にメッセージをお願いします!

子どもが学校に行けない、行かない、行きしぶっているとき、あるいは学齢期を過ぎてひきこもっている、働けないというとき、本人はどうしてこうなるのか、うまく説明できないまま、苦しんでいたり、悩んでいることと思います。また、それをそばで見守る親もまた、自分を責めてみたり、原因を探して葛藤したりと、たいへんつらい日々を過ごされているのではないでしょうか。
親も一人の人間として、苦しさ、悲しさ、やりきれなさなど、たくさんの思いを抱えながら、この生きにくい社会のなかで生きているのに、ややもすると、“親”という立場ゆえに、子どもとか、配偶者とか、まわりの人に遠慮して、自分の気持ちを押し込めてしまうことがあります。そういうさまざまな思いを出せる場として、利用していただければと思います。また、子どものことや、何を大切にしていけばいいのか、ともに考え合えるような場にしていければと願っています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

――インタビューは以上です。
貴重なお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

◆フリースクール「フリースクール・フォロ」の詳細はこちら
https://miraitizu.com/freeschool/5281
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