不登校 子どもが動かないのはなぜ

みなさん、ご存知
未来地図スタッフが、お気に入りの書籍を紹介する
「みんなの本棚」のコーナー

このページの立ち上げに尽力くださったのが
同じ未来地図スタッフの暁さん★

とっても知的で素敵なママさんです。

でも実は、暁さんご推薦で、私もいたく感動したのに
「みんなの本棚」では紹介されていないものがあるのです。

それが、精神科医で音楽家・評論家でもある泉谷閑示さんが
ダイヤモンド・オンラインに書かれたコラム

「『うつ』にまつわる24の誤解」

https://diamond.jp/category/s-izumiya

この中に書かれている、人間の「頭」「心」「身体」の説明が
とにかく、わかりやすいんです!

表題は「うつ」となっていますが
不登校の子を理解するのにとても役立ちます!

今回は特に、『「うつ」は心の弱い人がかかるもの?うつにまつわる誤解その1』
の内容から、少しだけお伝えさせていただきます。

 

人間の「頭」と「心」と「身体」の関係

泉谷先生は、人間を 「頭」「心」「身体」のパーツに分けて考え、
解説してくださっています。

「身体」が繋がっているのは「心」です。
「頭」とは「心」を介して繋がっているので、直接繋がっていません。

そして、「頭」があるのは人間だけなんです。
人間以外の動物には「心」と「身体」しかない。
(もちろん、動物にも「頭」はあります。
でも思考して、情報処理をする人間のような機能はないんです。)

だから、動物はしたいことをしたいようにする
嫌なら、しないだけ

一方人間は
「嫌だけど、○○だから○○した方がいいよね…」とか
「○○するべきだから、本当は気が進まないけどやっておかなければ…」とか
イヤなことでも、無理にでもやっちゃうし、できちゃうんですね。

つまりそれは、人間は「頭」の支配の力が
それだけ強いということです。

でも「心」が嫌だと思っているのに、無理やり行動することは
「身体」に負担を強いることになります。

つまり、意志の力が強い人ほど
嫌なことも、がんばってできてしまうから
「身体」により大きな負担を強いることとなり
より危険な状態に陥りやすい、ということになります。

これを泉谷さんは、独特の表現で、
とても分かりやすく表現されています。

「頭」の命令に「心」と「身体」がストライキを起こす

ただ、「頭」があまりにも強力に「心と身体」を虐げて続けていると
いずれ「心と身体」が疲れ果てて動けなくなってしまうのだそうです。

がんばってがんばって、無理に無理を重ねたあげく
遂に倒れてしまった時のうちの息子の状態が
まさにこれに当たると思います。

不登校初期、倒れて動けなくなってしまった子どもに
いくら学校に行くように促しても
子どもの「頭」の支配力はとっくに無くなっています。

そんな働きかけをしても、全くの無駄だということが
よく理解できるかと思います。

また、「明日は学校に行く」と前の日に言っていたのに
翌朝は起きられない、身体が動かないと言って
学校に行けない…

不登校の子どもによくあることです。

これもまさしく、この法則をもってすれば簡単に理解できると思います。

「頭」がかろうじて、「口」だけを支配して
なんとか子どもに「学校に行く」と言わせたものの
「心」は全然そんなことを望んでいないのです。

本当に「心」が学校行きたいと思っているんなら
とっくに行っています。

子どもが何を考えているのかわからない、という時
その子の「言うこと」ではなく、「行動」を見れば
それがその子の「心」の表れ、ということになると思います。

「頭」と「心」の間の蓋を開くには…

もう、これは「心」を元気にするしかありません。

「頭」の声は無視して
「心」が嫌がることを、まずきっぱりやめることです。

そして、「心」が望むこと
「心」がやりたいと思ったこと

それだけをさせてあげればいいんです。

「心」が休みたいと言っているから
動かずにいるんです。

なら動かずにいさせてあげましょう。

私たちはついつい、「頭」ばかりを使って
将来に向かってより無駄なく、より有利になるようにと
がんばって生きてきました。

子どもにもそれがいいことだと、教えてきました。

でも、「頭」の命令のままに、「心」や「身体」を酷使して
いくらやり抜こうと思っても、いったん蓋が閉じてしまった以上
無理なんです。
もう、動けないんです。

ところで
「頭」は冷静で理知的なイメージから
「心」と比べた時
「頭」の方がさも優秀なように思えるかもしれませんが
実はそうではないんだそうです。

考えてみればそうですよね

「頭」が担当してる、記憶・計算・比較・分析・推測・計画・論理思考などの作業は
いくらでもAIが取って代われる分野です。
ところが複雑にして巧妙な「心」の動きは、とてもコンピューターでは再現できません。

この事実を見ても、
『「心」の優秀さは火を見るよりも明らか』
ということになるかと思います。

「心」を大切に
「心」の声に従って生きること

「心」が元気なって大きく膨らんでいけば
「心」と「頭」の間の蓋は自然と開いていきます。

(頭側が膨らんでも、蓋は開かない構造になっているところがミソかも…^^)

 

不登校を経験した私が、今思うこと

私の息子は小学校5年から高3まで不登校という枠の中にいました。

大学・大学院で数学を学び、その後自ら選んだ企業に入り、社会人として過ごす日々を送っています。

その私が息子の不登校から学び、思うことは

不登校の子どもたちは私たち親に
「心」の大切さを教えてくれる存在なのかもしれない

ということです。

 

お子さんが思ったように動いてくれなくて
日々イライラ、悶々としておられる、お父さんお母さん

もしこのコラムを読んでくださっているなら
どうか、心にとどめ置きください。

お子さんは今「心」の健康を第一に

「心」を、ひいては「身体」を
そして自らの生命を守るため

あえて、動かないって選択をしているんです。

そう

あなたのお子さんは、超賢明なのです!

「頭」の部分は休憩いただいて
「心」に十分なエネルギーをためましょう!

「心」が喜ぶ楽しいことを
いっぱいしましょう!

そうすれば、「心」と直結した「身体」は
動き出さずにはいられなくなります。

「頭」が今まで当たり前だと思っていた
自分の中の凝り固まった価値観は

知らず知らずにうちに
子どもだけじゃなく
私たち親をもずいぶん苦しめてきたものかもしれません。

子どもの不登校は、それを手放す良い機会を
私たち親に与えてくれているのです。

もちろん、全てが全てとは言いませんが

私に関しては
ずいぶんといらないものを大切にしてきたな~
というのが、正直な思いです。

そして、それを私に気付かせてくれた子どもには
本当に感謝しかありません。

 

以上、暁さんご推薦
ダイヤモンド・オンラインより
泉谷閑示さん

「『うつ』にまつわる24の誤解」

ご紹介でした。

 

ここに紹介した内容は、泉谷さんの記事、
もしくは著書の中の、ほんのわずかです。

他にも、不登校の子を理解するポイントが
たくさん詰まっています。

興味が出た方は、ぜひお手にとって
読んでみてくださいね。
暁さんが紹介したページはこちらです。

普通がいいという病/泉谷閑示(著)

他にも素敵な本がいっぱい並んだ

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こちらも合わせて、どうぞご覧くださいね(^^)

 

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