ホームスクーリングを行うポイント

ホームスクール、ホームスクーリング、ホームスクーラー、などなど。

言葉が定まらないのも、まだまだ新しい生き方なんだと思います。

最近では、早めに学校教育から離れて、ホームスクールに移行しようと考えるご家庭も増えてきたように感じます。(言葉は便宜上、ここではホームスクールに統一しますね)

でも、まだまだ新しい学び方。どうやったらいいんだろう?と、悩む方も多いのではないでしょうか。

 

今日は、不登校生活7年間の間で、我が家が取り組んできたホームスクールのポイントや、進め方などについて書いてみようと思います。

 

まず最初にわたしの考えを書きますが、ホームスクールとは、「子ども本人が興味のあることを土台にして、そこからどんどん広げていく」ことだと思っています。

 

 何が好き?から始まる

人間は、もともと好奇心が強い動物です。一休さんの「どちて坊や」のように、自我が芽生え始めたら、「なんで?どうして?」と、自分が感じた疑問を素直に発する時代が、ほぼ必ずあったと思います。いつしかそれが、「こんなことを聞いたら怒られた」「恥ずかしい思いをした」などのような経験をして、理性で封じ込めていることがあります。

 

もし、今お子さんが、「なんで?どうして?」と自然と思えているのなら、そのままで。ですが、すでに疑問を口にしないか、疑問自体を感じなくなっていたら、その「生まれつきの好奇心」を思い出すところから始める必要があると思います。そのためには、とにかく好きなことをやり尽くすこと。好きなことをやる気力もない場合は、好きなことを楽しめるところまで回復することを目指します。

 

 

ここでは、ある程度気力も回復して、「好きなこと」を見つけたくらいの時期から書きます。
まず、好きなことが素直に口に出せない場合は、あなたが思う、お子さんの好きなことについて、興味を持って聞いてみてください。「どうして好きなの?」「どんなところが好きなの?」と。必ずしも自分も好きになる必要はありません。大事なのは、「あなたが好きなものを理解したいから、教えてほしい」という姿勢です。

 

そうして、それは大人が思う「これに興味を持って欲しい」というようなことよりも、むしろやらないで欲しいものの方が多いと思います。ゲームだったり、動画だったり、漫画だったり。「こんなことをする元気があったら、勉強したらいいのに」と、強く思うことこそ、一旦その気持ちを押し込めて、聞いてみてください。

人は、自分が好きなことを、他人に教えることが大好きです。そうすることで、誰かが自分の好きなことに興味を持ってくれる嬉しさや、なによりも自分が好きなことをしているのを許される気持ちも、合わせて感じてもらうことができます。

少しずつでも話してくれるようになったら、しめたものです。なぜなら、その会話の中にこそ、学びの原石が隠されているからです。

 

「絵が綺麗だから」「スカッとするから」「オンラインで他の人と触れ合えるから」「音楽がいいから」などなど、その子なりの「好き」の理由があるはずです。この原石たちを、ぜひ心の中にメモしておいてください。もちろん、実際にメモしてもらってもかまいません。

 

 「好き」を広げる

お子さんの「好き」情報が集まったら、それを少し広げる提案をしてみてはどうでしょう?例えば、

 

  • ゲーム中のお料理が美味しそう →  一緒に作ってみる?
  • クイズの動画が楽しい →  クイズ雑誌や本など、買ってみようか?
  • 音楽が好き →   こんな演奏会やライブがあるんだけど、一緒に行く?
  • このストーリーがワクワクする →   こっちの漫画や映画も面白いよ!一緒に見ない?

 

こんな感じで、「見て楽しむ」ことから、「自分で経験できる」楽しさにシフトしていく、わたしはこれがホームスクーリングだと思っています。
今、オンラインでどんな情報でも手に入るようになってきました。でも、ただ自分が見ているだけよりも、実際に体を使って、匂いや手触り、音などの五感を感じて行う経験は、ただ見るだけよりも、脳の興奮が大きくて、ドパミンなどの快楽物質や、やる気物質がたくさん出ることが、脳科学的にも明らかになっています。

 

ただここで大事なのは、あくまでも提案というスタンスを崩さないことです。もちろん、断られる可能性もります。また、実際にやってみて「思ったよりも楽しくなかった」のような、期待した反応が返ってこないことも多々あることを、理解しておいてください。

 

繰り返しますが、あくまでもできるのは提案まで。本人が乗り気になればラッキー、くらいの軽い気持ちで伝えてみてください。あくまでも、選択の自由はお子さん自身にあります。

 

ポイントは、その子自身の、心が震えるポイントを、しっかりと捉えて見逃さないこと。今までの思い込みや価値観が邪魔をして、それらを見逃すようなことがあれば、その方が勿体無いと思います。どうか、過去の思い込みなどに囚われず、お子さんの「好き」を大事にしてあげてください。

 

 「好き」が広がった先にあるもの

提案に乗ってくれたり、自分から提案してくれたりして、「好き」の対象が広がっていく経験を1度でもしたら、あとは自然と興味が人がるか、深まるかなどしていくことが多いです。実際我が家の場合は、

 

ゲーム →  ゲーム中の料理が気になる →  作ってみる →   楽しい →  普通のおかずも作りたくなる → いろんな料理を自分でやりたくなる

 

のように、経験の幅が広がっていきました。最初は「包丁も火も怖い」と、それらの作業はすべて私がやっていたのですが、次第に自分がやりたい気持ちが勝り、今では包丁も火も、自分で勝手に使えるようになりました。
さらに、自分自身が怖い、無理だと思っている経験を、次男なりのスモールステップでクリアしていったので、他のところにもいい影響を与えているようでした。
もちろん、とんとん拍子に進んだわけではありません。このステップだけでも3〜4年はかかったように思います。

もちろん、わたしも一緒に取り組んだので、非常に時間が取られました。1つの料理を作るのに、2〜3時間かかることもザラでした。
結構しんどかったこともありましたが、そこは手と時間をを掛けるところかなと思い、他の家事などをできるだけ手抜きして、時間を確保したり、ストレスを軽減したりしました。

 

また他にも、アクション映画を見ているうちに、もっと知りたいと感想動画などをみるようになり、そのうちに「この部分は科学的におかしい」と解説している動画をみるようになり、いつのまにやら学校の勉強に興味を持ち始めました。

そもそもは、ゲーム自体も、難しいもの、クリアできそうにないものは、失敗が怖いからやりたくないと、避けていた次男です。それがいつしか「難しい問題を解くのは、難しいゲームをクリアできた時と同じ達成感がある」と言うようになりました。

お友達のお子さんで、好きなアニメの武器を、段ボールで工作している子もいました。これも立派なホームスクールだと思います。

 

もちろん、次男はたまたま勉強が好きなタイプだったこともあるかもしれないので、全員が学校の勉強に興味を持つわけではないと思います。

ただ、ここで知っておいて欲しいのは、学校の勉強というのは、本来の学習という視点でみると、非常に狭いところしか教えてくれません。あなたにも経験がありませんか?中学生になって方程式を学んだ時に、「こんなに簡単なやり方があるなら、なんで小学校でつるかめ算みたいなややこしい方法をやらされたんだろう」というようなことが。

 

学校の勉強の進め方は、できるならやればいいと思いますが、本来持っている興味をなくしてしまったり、身についていないのに、勝手に身についたと勘違いしてしまうリスクもあると、個人的には感じています。
もともとは、ある程度の短期間で、ある程度の学力を、たくさんの人間につけてもらうために作り出されてシステムです。よくできたシステムだと思いますが、必ずしも一番優れているわけではありませんし、全員にそのやり方が合うわけでもありません。だから、学校の勉強にだけ囚われないでも良いのではないでしょうか?

 

なぜ「好き」を大事にするのか

ここまで、とにかくどんなことでも良いから、「好きなこと」を土台にして行うことをお勧めしました。その理由も書いておきますね。

それは結局、好きなことに興味を持つことが近道だからです。もしかしたら、「好きなことばかりしていたら、努力をしたり、頑張ることができなくなるのではないか」と気になっている方もいるかもしれません。わたしもそうでした。

でも、「好きなこと」を広げたり深めたりしていると、必ず「やりたくないこと、興味がないこと」を通過するポイントが出てきます。だから、好きなことだけをしていても、やりたくないことに立ち向かうことも出てくるんです。

 

ですから、やりたくないことをやること、我慢することは、その時に頑張ればいいと思うのですが、いかがでしょうか?やりたくないことだらけの中で努力するよりも、好きなことのためにやりたくないことを頑張る方が、前向きに、ワクワクした気持ちで取り組めると思いませんか?

 

ということで、わたしが思うホームスクーリング について、まとめます。

 

  • 好きを広げること
  • 学校の「勉強」に囚われないこと

 

もちろん、好きと感じることができる心、好きなことをできる状態であることが第一です。まだそこまで回復していないお子さんは、「好きなことを楽しめる」ところまで回復するのを、当面の目標にしてみてくださいね。

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