待つことのほかに、親ができること

待つだけでいいの?

不登校のお子さんに対して、

「本当に待つだけでいいのかな?」

「他に親としてできることはないのかな?」

というママやパパの悩みをよく見聞きします。

私も次男の不登校初期、そしてどん底期から少しあがって、おうちでは安定して過ごせるようになったころ、同じように感じていました。

「待つことは、実は一番辛くて大変。だから、待っている「しか」できないって思わないで」・・・これは、ブログでもなんども書いたことがありますし、直接お話しする時や、トピックなどでも書いたことがあると思います。

ただ、今回はもう一つの「できること」について、私が思うことをお伝えしたいと思います。

今のお子さんとの関係は?

その前に、今のお子さんとの関係について、お尋ねします。

お子さんの要求・・・全て受け入れていませんか?

学校に行くために、塾に行くために、元気になるために・・・まるで腫れ物にさわるように、接していませんか?

子供って、特別扱いが好きなようで、実はキライです。

腫れ物にさわるように、ママやパパが接していたら、「やっぱり学校に行かない自分はダメなんだ」「学校や塾にいかせるために、自分のご機嫌取りをしているんだ」そう思ってしまうことが、実があります。

そんな思いがあったら・・・学校に行けない自分を許すことはもちろんできないし、何よりも、ママやパパを心から信頼することができません。

かく言う私も、次男にそうやって接していました。

またどん底状態になるのを見たくなかった、というのもあります。

また機嫌が悪くなったら、また閉じこもってしまったら、そして、また自分を傷つけてしまったら・・・・。

怖くて怖くて、まるで本当に息を吹きかけるだけで壊れてしまう、薄くて繊細な砂糖菓子のように、様子を伺いながら過ごしていました。

でも、そうしている間、次男はある程度までは元気になっても、それ以上は元気になりませんでした。

そうやってそうっと接しているのに、機嫌が悪くなるときは悪くなったし、相変わらず私への要求は勝手に突きつけてくるし・・・。でも、またあの頃に戻りたくはなくて、びくびくしながら過ごしてしました。

ところがあるとき、「腫れ物にさわるように接しているうちは元気にならない」という言葉を目にして、目玉だ飛び出るくらい驚きました。笑

そして、怖かったけど、ドキドキしたけど、「NO」を突きつけることを始めました。

もちろん、なんでも「NO」と言っていたわけではありません。

「もし、これが普通の状態なら、親として、1人の人間として、OKできるかどうか」をその都度心に聞きながら、次男に接するようになりました。

すると、不思議なことに・・・機嫌が悪くなることももちろんありましたが、その時を境に、ぐんぐん元気になっていったんです。

今でこそ思うこと

思えば、私は次男に、いつもご機嫌でいて欲しかったんです。

いつも笑顔で、にこにこと笑って、私の言うことを聞いていて欲しかった。たとえ学校に行かないにしても。

でも、考えてみたら、常に機嫌の良い人間なんていないんですよね。

自分だって機嫌がいい時もあれば、悪い時もあるのに、子供にばっかりそれを求める。

それって、自分がラクだからだよね、って思いました。

NOを突きつけて、次男が機嫌が悪くなったり、落ち込んだりして、それに対応するのは本当にしんどいけど・・・。

それって普通の「子育て」なんじゃないかなって思います。

家族だって、一つの「社会」

さらに思うのは、家族って「社会」の最小単位だと思います。

よく、「学校は社会の縮図だ」って言われますが、私はそうではなく、学校は「社会の一部」だと思います。

だって、学校の常識=社会の常識ではないですからね。

でも、家族っていう単位は、明らかに小さな社会だと思います。

家族だからって、好きなことを言って良いわけではないし、お互いに相手を尊重して接する必要があると思います。

だから、お互いに、嫌なことは嫌だって言うべきなんですよね。ぶつかっても、反発しても。

「そんなことを言われたら、お母さん傷付くし辛いよ。お母さんだって人間なんだから」って子供に伝えることで、社会に出た時のコミュニケーションの練習をしていくと思っています。

家族に対して礼儀正しく接することができない人が、他人にそれ以上のことをできるはずがないって思うんです。

だから、子供にとっても、親はなんでも言っていい相手ではないと知ることが大事だし、逆に、親にとっても、子供は自分の一部ではなく、ちゃんと別の人格を持った、1人の人間なんだってことを忘れないのが大事だと思います。

もちろん、心がまだしんどい状態は別です。

でも、ある程度元気になって、家で機嫌よく過ごすことができるようになっているのなら・・・。

「1人の人間とてい、嫌なことは嫌という」ことを始めてみてはどうでしょう?

その時に気をつけて欲しいのは、子供を悪者にして、「もうそんな好きなことばっかり言って!!誰のために我慢してると思ってるの!!」みたいな対応には、しないで欲しいです。

子供って、いくつになっても、「親は自分の要求を叶えてくれる」って思いがち。

だから、本気じゃなくて、かる〜い気持ちで言ってしまってることもあると思います。

だから、ここはひとつ、冷静に。

「それは、こういう理由で無理だよ」「そんな言い方をされたら、悲しいよ。傷付くよ」と伝えてみてください。

もしかしたら、また状態が悪くなってしまうかもしれません。

でも、そうやって、お互いの気持ちを伝え合うことで、どこまでが言っても良いラインなのか、お互いに知っていくと思います。

最初は怖くて、ドキドキするかもしれないけど、母の勘が「いまだ」と思ったその時に、「腫れ物に触るように扱う」ことを、やめてみてください。

きっとまた、親子の関係が一歩進む、きっかけになると思います。

そして、それができるようになったら、腫れ物に触るようにではなく、1人の人間として、お互いに対等に接する、ということが分かったら。

そのことには、「○○して欲しいから、言うことを聞く」という、条件付きで受け入れていた子供に対しても、条件付きではない会話ができるようになっていると思います。

2021年、たくさんの人によって、光が差し込んでくる年になりますように。

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