ルルビの日記『R・・・』

義母が転院した病院は観光地まっただ中にあります。
そこは今も昔も広い層に人気の地で、そちら出身の名だたるアーチストも輩出しています。
私にとってもかつては好きな場所の一つで、夫、家族、一人、友人、仕事と、出かけていました。
ただ、あるときから苦手になりました。

そこに続く道は、私立中を退学する息子を乗せて、最後の手続きのため家族で往復したルートだからです。

キラキラ光る海、屈託ない笑顔の人たち、ホームにあふれる制服姿、そこをロケ地としたドラマ、皆と歌いまくった数々の曲。
何年もかけて培ってきた私自身の思い出や浸っていた空気感が、それを機に一気につらいものに変わりました。
そちら方面の電車にも乗れなくなりました。

5年が経ちました。
できるだけ避けてきましたが、どうしてもその道を通ることもありました。
そのたびに、心臓をぞうきん絞りするような圧迫感を覚えました。

その道を通らなければ行けない、今度の病院。
第一希望がなかなか空かず、次に提示された病院でした。
急性期病院にいつまでもいるわけにもいきませんでした。

この道に対する思いは、今まで誰にも話したことはありません。
でも、そんな気持ちからそろそろ解放されてもいいよって機会がやってきたのかとも思います。
苦しむためでなく、この気持ちからの卒業するための時。

病院内には小さな礼拝堂があります。
無宗教者だけれど、「主」と無音の対話をしに寄ってみようかな。

star今日できたこと♪

★試練ではないな、考える機会かな。

favorite読んでくれた人へのメッセージ

★読んでくださり、ありがとうございます。
★今日これからと明日、そして年内の日々が皆さまにとって佳き日でありますように。

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